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タイトルだけが不満 【ボーン・コレクター】 [映画日記<2006年>]

「ボーン・コレクター」をレンタル&視聴。

ベストセラー小説の映画化で、いわゆる刑事モノ。
でも普通の刑事モノと違う点は、主人公のリンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は、警官時代の事故が元で、首から下が麻痺し、寝たきりの生活を余儀なくされているという事。
動かせるのは、頭と肩と1本の指だけ。
でもね、とっても頭が良くて、洞察力があって、博識で、元鑑識でもあり、今でも退職扱いにはなっていないんだけど、その彼が、優秀な部下達を巧みに誘導して、事件の謎を解いちゃう物語なのだ。
とある殺人事件で、第一発見者となった見回り警官のアメリア(アンジェリーナ・ジョリー)の、現場における的確な初動捜査に、鑑識としての才能を見出したリンカーンは、半ば無理矢理っぽかったけど、アメリアを捜査の先頭に立たせ、事件を追っていくのである。
殺人事件とは、猟奇殺人の類。
単に殺すだけじゃなくって、その死体から骨の一部を持ち去ったり、手の込んだ残酷な殺し方をしたり、わざと証拠を残して次の殺人を予告したり。
警察に挑戦するかのような、暗号のような証拠を残していく、知能の高い犯人なのだ。
リンカーンの指示通り捜査を進めるアメリアや捜査員達。
人が殺されるたび、増える暗号と証拠。
果たして、リンカーンやアメリアは、犯人を見つけ、連続殺人をとめられるか、被害者を救えるか。
最後まで、ドキドキ感が充実して、いいテンポ進んでいくよ。

まず、リンカーン・ライムという人物像が、とっても人間的で、ステキ。
その境遇からか、皮肉屋ではあるが、一度事件にのめり込むと、集中力が素晴らしく、部下からの信頼も厚く、身体の障害から時々自律神経の発作に襲われ、そのたびに看護師の女性に助けてもらうのだけれど、犯人を追い詰める鋭い視線は、現場の刑事にも負けてないから。
それを寝たきりで、首以外動かせないにも関わらず、デンゼル・ワシントンが、素晴らしい演技を見せてくれてるんだわ。
それに、彼のベッドはとっても優秀で、音声認識、ボタン一つで操作可能なパソコン、大きなモニター、ハイテクな便利機能満載。
事件の陣頭指揮にたってる時は、その才能を余すところなく発揮しているけど、実は、一方で、友人の医師に、安楽死を頼んでいたりもする、弱い一面も持ち合わせているところが、また人間臭くて、現実味があって、心を動かさせるところだよね。
決してヒーローじゃないところがイイよ。
そのリンカーンに、ほぼ一瞬にして信頼される警官を、まだ初々しいアンジェリーナ・ジョリーが好演してるんだ。
まだ今みたいなセックルシンボル的なセクシーさはないけど、その代わり、清潔感があって、聡明な感じがしてイイ。
最初はリンカーンに強引で無節操な捜査をさせられ、殺人現場や死体を前に取り乱し、一度は現場から逃げ出すんだけど、卑劣な犯人の手口を見せられ、なんとしても犯人を逮捕してやるんだという気持ちにさせられたみたいだね。
それと、発作にも負けず、まるで命を削るみたいに事件にのめり込むリンカーンに、惹かれたみたいだよ。
彼を見つめる目が、段々と愛おしいものに変わっていくから。

事件はやがて、「ボーン・コレクター」といタイトルの実犯罪本の通りに行われていた事が分かる。
まさにタイトル通り。
骨を持ち去るのも、本の通りなのかな。
犯人が分かってしまうと、骨に執着があるのではなく、実はリンカーン自体に執着というか、恨みがあったんだけれど。
犯人のリンカーンに対する挑戦。
犯人は身近なところに・・・
ちょっと安易だったけど、身体が不自由にも関わらず、犯人に殺されそうになりながら、アイディアでなんとか身を守ろうとするリンカーンが、すごいと思った。
オチのチープさから逃れられたのは、偏にリンカーンの魅力でしょうね。
ま、真相に気づき、そこへ駆けつけるアメリアも、ちょっとできすぎだと思ったけどね(笑)
結果、アメリアとリンカーンが上手くいったようで、明らかに生きようとしているリンカーンが最後に見れて、正に一件落着だわ。
ラストシーンの彼は、映画の冒頭で、友人の医師に、安楽死を頼んでいる彼とは、別人のようだよ。
まず、リンカーン・ライムを見事に演じきったデンゼル・ワシントンに拍手。
それから喜怒哀楽を体当たりで演じたアンジーにも拍手。
望みあるラストに、も一つ拍手。

ボーン・コレクター


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