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初心者向け 【蝋人形の館】 [映画日記<2007年>]

「蝋人形の館」をレンタル&視聴。

普通なら、ホラーなんてほとんど見ないんだけどね。
スプラッタが酷くないのと、脅かし系でないのと、ジャパニーズホラーじゃないし、
なにより、ジャレッド・パダレッキが見てみたかったの。
彼は、「SUPERNATURAL」で、弟サム・ウィンチェスターを演じている人。
決して、パリス・ヒルトンが見たかったんじゃないよ(笑)

カーリー(エリシャ・カスバート)は、恋人のウェイド(ジャレッド・パダレッキ)と、
女友達のペイジ(パリス・ヒルトン)、その恋人のブレイク(ロバート・リチャード)、
双子の兄ニック(チャド・マイケル・マーレイ)と、その友達のドールトン(ジョン・エイブラハムズ)の6人で、
アメフトの試合を見る為に、長距離ドライブの途中だ。
その夜はキャンプをして騒いだ6人だが、
翌日、ウェイドの車の部品が、壊されている事に気付く。
カーリーとウェイドは、町の住人と思われる男に案内されるまま、近くの町のガソリンスタンドに向かう。
残りの4人は、試合を見に先に出発するが、大渋滞に巻き込まれ、結局引き返してくる。
町に着いたカーリーとウェィドは、静か過ぎる町に、不安を抱くが、
その不安が的中したと知った時、
6人は、町の秘密と、容赦なき追っ手から、必死で逃げ出す。
果たして、カーリーと5人の仲間の運命は・・・

タイトルが「蝋人形の館」なのだから、
当然、蝋人形にされちゃうのかな?と思って見ている訳だ。
こういうのを、ホラーの王道と言うのだろうけど、
主人公のカーリーを中心におきながら、仲間が一人、また一人と、
犯人の手にかかる様は、お見事。
ちなみに、この作品の関しては、邦題は素晴らしい。
原題だと「HOUSE OF WAX」
「蝋人形の館」の方が、ホラーっぽくて、いい感じだよね。

単なる、殺人趣向の愉快犯と違って、
この作品での犯人役、
つまり、人を襲って、蝋人形にしてしまう兄弟トルーディとヴィンセント(ブライアン・ヴァン・ホルト)には、そうしたい理由が、きちんと用意されているのだよね。
カーリーら6人が襲われたのは、たまたま近くに来てしまったからだけど、
トルーディとヴィンセントには、バックグラウンドがあって、目的を持って、人を襲っている訳だ。
そういうところは、フレディやジェイソンと違うのかな。
うーん、あまりホラーを見た事がないから、上手く比べられないや。
申し訳ない。

ともかく、カーリー達の相手は、
幽霊でもなく、悪霊でもなく、ましてや怪物でもない。
ただの人間。
屈折してはいるけど、れっきとした人間だから、
カーリーとニックの兄妹が、最後は必死になって、彼らと戦うシーンに、希望が持てるのかも。

トルーディとヴィンセントのバックグラウンドに、
結合性双生児と、両親からの虐待があり、
そこで屈折した人格が形成され、ヴィンセントの才能、蝋人形を作る才能だけど、
それを利用したのは、トルーディなのだよね。
ヴィンセントの方は、分離手術のせいで、顔の半分を失くし、表にも出れず、悲惨な生活を送ってはいるが、どちらかというと、自分を認めて欲しいだけに見える。
むしろトルーディの方が、いつの日からか、ヴィンセントの才能を認めるという理由をつけて、
人を襲うのが、快感になったのかな。
兄弟以外、誰もいない、いや、兄弟以外は、みな蝋人形でできた町、
時間が止まった町を作り出したのは、ほかならぬ、トルーディの屈折した心の投影といったところか。

カーリー達にも、ちょっとした関係があって、面白い。
カーリーとウェイドは、普通の恋人同士だけど、
カーリーの兄ニックは、車泥棒で捕まり、保釈されたばかり。
ニックは、ウェイドに何かとつっかかっていたりと、問題児っぷりを発揮してる。
それがあったから、カーリーを守りながら、ラストにむけ、大立ち回りを演じるニックを、見直せるのかもね。
消えたウェイドの事も、結局は心配してし。
ペイジとブレイクは、専ら、お色気担当。
このノー天気っぷりも、その後の必死で逃げるペイジの泣き顔を、際立たせる役割を果たしている気がするよ。

見ていて、ちょっと前置きが長いかなぁと思った。
最初の犠牲者、ウェイドが襲われるまでに、結構時間がかかったよね。
ただし、ウェイドが襲われて、
ヴィンセントに蝋人形にされる工程が、かなりしっかり見れたのは、良かったよ。
その後は、単に殺されるだけで、あまり蝋人形にされるっていう描写はなかったから、
最初に、しっかり見せているのは、大事だよ。
しかも、ウェイドに関しては、生きたまま、蝋人形にされて、
さらに、まだ生きているのに、蝋人形のまま、蝋人形館に展示されちゃったから、
これがズバリ、この映画の核の部分だよね。
これがなかったら、意味がないし、何にも残らんもんね。
彼が一番可哀想。
殺されちゃえば、後は何にも分かんないけど、
彼は、生きたままだったから、全部分かっていたんだろうし。
逆に、ヴィンセントは、生きたまま蝋人形にするのが、ベターなのかと思ったのよ。
ウェイドには、わざわざ薬打ったり、傷を縫ったりしてたから。
でも、その後は、殺しちゃったでしょう。
生きたままがいいなら、ほかの二人も、殺さない方がいいんじゃないの?って思ってね。
そこは、疑問。
ペイジなんて、見事な殺されっぷりだったもん。

ウェイドが蝋人形にされて、
ペイジとブレイク、ドールトンと殺されて、
さ、いよいよ、カーリーの番か。
と思ったところで、ニックの登場だね。
彼は、ある意味、救世主。
ニックは、問題児のバットガイのイメージを、冒頭から見せていたけど、
結局は妹思いの、いいヤツだったんだね。
これも、王道?
カーリー&ニックVSトルーディ&ヴィンセントの、ラストの大立ち回りは、
立ち回りそのものより、
蝋でできた蝋人形館が、燃えて溶けて、なくなっていく様子の方が、良くできていたよ。
全て蝋でできたという設定の蝋人形館が、
地下からの出火で、どんどん溶けていくのは、迫力があった。
床も溶けてツルツルになって、穴が開いて、みなドロドロになって。
蝋人形も溶けて、
ただし、全部、元人間の蝋人形だから、
壊れたり溶けたりしたら、中の半ミイラ化した人間が、出てくる訳だ。
これ、思ったより、気持ち悪くなかったな。
もっとグロいかと予想してたんだけどね。
これに関しても、ウェイドは踏んだり蹴ったりだね。
彼、この時、死ねてたかな・・・

てな訳で、
グロくないのよ。この作品。
グロくちゃ、私が見れない。
多少の描写は出てくるよ。
指ちょんぎっちゃったり、アキレス腱をハサミでチョキンとか、
蝋人形の破壊で、中の人間が粉々とか、虫が湧いてたりとかね。
でも、目を背けるほどじゃない。
だから、純粋なホラーファンには、とっても物足りないでしょうね。
むしろ、トルーディとヴィンセントの、屈折した人格の方が、気になるかも。
だから、二人のバックグラウンドは、もう少し、説明があっても良かったのかもね。
どうして、町中、蝋人形にしようと思ったのか、とかね。
で、その屈折した理由を、カーリーやニックが知って、もう少し彼らの事を、人間として理解して、少し苦悩するとか。
そういうのがあったら、彼らは、ジェイソンとは違うんだって分かって、
やってる事は、酷い事だけど、彼らの心の闇も分かって、やりきれない気持ちになったかもね。
それなら、助かりたい兄妹にも、人を襲う兄弟にも、両方に感情移入する要素ができたのにね。
カーリーとニックが、助かったのは、それほど後味が悪くならなくて、その効果はあったけど、
もし、ニックという兄の存在がなかったら、
最後は、カーリーとウェイドの恋人同士が助かるっていうのも、良かったかな。

どうも、パリス・ヒルトンの出演で、その話題ばかり、記憶にある。
彼女、ま、イメージは良くないけど、この作品の中では、そこそこの働きしてるよ。
演技もそれほど悪くないし、自分の立場を分かっているっていうか、きちんとお色気部門も請け負っているし、しかもきわどい下着姿もちゃんと披露してるもんね。
何より、殺されっぷりが潔いし。
カーリーを演じたエリシャって、あのドラマ「24」で、主人公ジャック・バウアーの娘キンバリーを演じた女性だったのね。
「24」は見てないけど、シーズン1だけ、小説で読んでいるんだわ。
ちょっとだけ、キルスティン・ダンストにも似てるかもって思った。
ジャレッド君は、主要キャラの中では、クレジットは最後だけど、なかなかオイシイ役だね。
主人公カーリーの恋人だし、最初に襲われて、多少逃げ回って、しかも、蝋人形にされる過程を、じっくり見れるし。
蝋人形館に飾られてからも、さらに痛い目に合うし。
あの涙には、ぐっときた人も、いるんじゃないかな。

良質のホラーは、確かに、他に、たくさんあるでしょうね。
でも、私みたいに、スプラッタも苦手、訳の分からない怪物系も苦手、
心理的なホラーもちょっと、特にジャパニーズホラーなんてムリ。
という人には、ちょっどいいんじゃないかな。
それほど、質も悪くないしね。
そこまでムリしてホラーを見る必要は、全然ないけど、
もし、そういう気分になったら、思い出してみて。

蝋人形の館

蝋人形の館

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2006/10/06
  • メディア: DVD


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コメント 3

堀越ヨッシー

LICCAさん、こんにちは。
パリス・ヒルトンの殺されっぷりは豪快でしたね(苦笑)。でもきちんと仕事してたのは意外でしたよね。
個人的には、ヴィンセントのキャラがお気に入りです。ホラー映画の殺人鬼としては結構秀逸だったかなと。長髪、エプロン、長靴というデザインが割と好みでした。
ホラー映画としても結構真面目に作ってあってその辺は好感が持てましたね。でも指をハサミで切られるシーンでは思わず「痛ェッ!」って叫んじゃいました(苦笑)。ロウだけで出来てる館が最後火事で溶け出すシーンは確かに迫力ありましたね。でもよくよく冷静になって考えてみると、「ロウだけで家建てられる訳ないじゃん!」と、一人突っ込むオイラなのでありました(苦笑)。
by 堀越ヨッシー (2007-01-22 19:10) 

Catcat44

ヨッシーさん、こんばんわ!
下着にガウン一枚で、裸足で逃げ出すパリスは、よくやったなぁ~と。
それぞれのキャラが、ちゃんと自分の役割をちゃんと演じていたので、良かったんじゃないかと思います。
そうそう、ウェイドが、糊みたいなのを塗られて、眉とかヒゲとかを、バリッと抜かれちゃうのも、痛そうでしたね。
蝋の建物って、そうか、難しいですよね。全然そこまで考えてなかったです。ラストに、蝋だからって壁をぶち破って、逃げ出す二人に、ちょっと笑っちゃいましたけど(笑)
by Catcat44 (2007-01-22 19:43) 

黎明

こんにちわ、初めまして。黎明と申します。
私も蝋人形の館が大好きなのですが、この記事の、カーリー&ニックVSトルーディ&ヴィンセントの『トルーディ』というのは、多分ヴィンセントの双子のお兄さんで、青いキャップとツナギを着た男性のことを指してるんですよね??
もし私の勘違いだったら申し訳ないのですが、ヴィンセントの兄弟の名前は『ボー・シンクレア』ですよ。トルーディというのは彼ら双子の母親の名前で、映画の序盤、ボーが教会で葬儀を挙げていた時棺の中にいた人です。蝋人形館の中の子供用の椅子や過去の、双子が少年の頃の回想シーンでボーの名前が出てくる筈ですよ。
by 黎明 (2016-01-29 17:54) 

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