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ケイト賛辞 【エリザベス ゴールデン・エイジ】 [映画日記<2008年>]

「エリザベス ゴールデン・エイジ」を見たよ!

1585年。
イングランド女王の地位についたエリザベス(ケイト・ブランシェット)。
忠臣のフランシス・ウォルシンガム(ジェフリー・ラッシュ)を側近に置き、国に生涯を捧げ独身を貫くエリザベスは、「バージン・クイーン」と呼ばれていた。
だが、プロテスタントの女王エリザベスは、ヨーロッパ全土をカトリック教徒にしようと、聖戦を仕掛ける大国スペインに、日々、脅威に晒されていた。
しかも、スコットランドの女王メアリー・スチュアート(サマンサ・モートン)も幽閉されているとはいえ、油断できず、絶えず暗殺に備えなければならなかった。
そんな折、エリザベスの前に現れた航海士のウォルター・ローリー(クライブ・オーウェン)。
新世界のめずらしい話で、彼女の気を引こうとするローリーに、エリザベスは気がつけば、興味以上の感情を抱いていた。
しかし、女王の立場では、その適わぬ思いを、侍女のベス(アビー・コーニッシュ)に託し、ベスに自分の幻影を重ね、満ち足りぬ思いを押し殺していたのだった。
エリザベス暗殺未遂事件の黒幕が、ハメられたとはいえメアリー・スチュアートである事が分かると、エリザベスはメアリーの処刑を余儀なくされる。
それをキッカケに、メアリーを正式な女王とおしていた大国スペインが、大船団を率い、イングランドに攻め込んできた。
果たして、エリザベスはイングランドを守りきれるのか。
そして、ローリーへの思いは、いかに・・・

元々、前作の「エリザベス」をレンタルで見ていたとは言え、この作品をすごく見たくなったのは、初めてトレイラーを見た時、主演のケイト・ブランシェットの演技に圧倒されたからに間違いない。
わずか数十秒のトレイラー、しかも断片的なシーンにも関わらず、ケイト・ブランシェットの演技は、とても強烈だった。
鳥肌が立ったくらい。
これは、是非とも見なければ。
多分、そう思った人間は、私だけじゃないはず。

史実を基にした作品だから、歴史的にも正確だろうし、登場人物も、もちろん実在した人物。
実は、ウォルター・ローリーはフィクションかと思っていたのだけど、れっきとした有名人みたいだね。
ちと恥じ。

感想を書こうといろいろ考えたんだけど、
結局出てくるのは、主演ケイト・ブランシェットに対する賛辞ばかり。
もちろん、ジェフリー・ラッシュおじさんもステキなのだけど、
とにかく、ケイト・ブランシェットという女優はすごいよ。

何をおいても、存在感がすごい。圧倒的に。
低めの声が、また威厳があって、知的で、でも女性らしさも失わずに、たまらないよ。
個人的に、女優さんってあまりひっかかってこない方なのだけど、この人だけは別だな。
毎回にように、賞レースに名前があがるのも分かる。
女王らしいワガママな感じもするのだけど、それ以上に、国を治めている風格があふれ出ているんだもの。
オーラ?
出てる。間違いなく。

それに、豪華絢爛の、中世の衣装に、負けてない。
着られてる感じは、全くないよ。
むしろ、着てやっている感じ。
正直、ヅラとかすごいデザインなんだけど、おかまいなしだね。
白塗りだって、彼女のもの。
このあたり、つい「マリー・アントワネット」と比べたくなる。
別の魅力はあるのだろうけど、あの作品が、子供に思えるもんなぁ。
こっちは、大人の世界。

だから、表では気丈に振舞う女王が、時折見せる女性らしいプライベートに、ついほろっとしてしまう。
お気に入りの侍女ベスに、べったりと甘えてみたり、国の事情でお見合いさせられた年下の他国の太子に、気を遣って本音トークをしてみたり。
メアリー・スチュアートの処刑に、実は反対だったのには、ちょっと驚いたわ。
国の為、自分の為に、苦渋の選択だった訳だね。
取り乱す女王も、表の姿を知っていればこそ、そのうらはらな気持ちに、胸がきゅーっとなる。

イライラを、全部ウォルシンガムにぶつけたりして、でもウォルシンガムも、全て分かってて、受け入れている感じで、裏切りが日常茶飯事の中、この忠臣の存在は、多分、エリザベスにとって、大きかったと思うのだけど。
ジェフリー・ラッシュの、絶妙に抑えた演技も、いぶし銀かしら。

ウォルター・ローリーの存在には、ちと物申す。
歴史的に間違いないのなら、仕方ない事だけど、彼のした事って、女の立場からしてみると、ちょっと許しがたい。
打算があってローリーが女王に近づいたのは事実としても、
その後、あからさまに彼女の気を引いて、分かるように愛情をみせつけておいてさ、
結局は、自分の手の届く、侍女のベスといい仲になって、子供まで作って、内緒で結婚までして、これって相当の裏切りだな、と思ってね。
女王に手が届かないのは、分かる。
でも、あの思わせぶりな態度は、適わぬ恋だと知って、苦しむエリザベスを見ていると、何て事をしてくれたのか、と思っちゃうわ。
妻となる事、母となる事を捨て、純潔を国に捧げたのに、そんなエリザベスに一番女性らしい感情を思い出させるなんて、なんて罪な男なんだろうね。
いやー、カッコイイだけに、イヤなヤツ。
しかも、幸福そうに、ベスとの仲を見せ付けたりしてさ。
エリザベスが、ローリーに最後に一つだけお願いがある、て言い出した時、私はてっきり、「一度だけ抱いて」って言うのかと思ってた。
そのくらいは、できるんじゃないかって思ったし。
でも、彼女がお願いしたのは、「キス」だけ。
思わずうるうるしちゃったよ。
何年も忘れていた事、なんていうから、てっきり・・・
すごい賢い女性として描かれていたよね。
ラスト、病身のウォルシンガムに最後の挨拶をして、結局ベスもローリーも全部許して、二人の子供を抱くエリザベスを見ていたら、またまたうるうる・・・
参る。

当時の大国スペインに攻め込まれ、海岸で迎え撃つイングランド兵。
数では圧倒的に負けていたイングランドが、天候を味方につけ、奇跡的に勝利したのは、史実だけど、
この時の、エリザベスの騎乗の演説シーンは、鳥肌ものだったよ。
騎乗の演説シーンといえば、素晴しいシーンで思い出すのは、「ロード・オブ・ザ・リング」の3部作目、「王の帰還」での、セオデン王と、アラゴルンの演説。
これは大変素晴しいシーンだったと思うけど、それに匹敵するくらい、エリザベスの、というかケイト・ブランシェットのこのシーンは、素晴しかった。
カッコ良かったのよ。とにかくね。
惜しむらくは、戦争映画じゃないから、数千の兵士の前に立つエリザベスの映像がなく、物足りなかった事だけかな。
でも女性でカッコイイって、最近ではあまりなかったから、久しぶりに感動したよ。
豪華なドレスを脱ぎ、甲冑に身を包んだ女王は、自国の女王にふさわしい、そう国民が思ったのだろうね。
すごいなぁ。

本当はどうだったのかを考えちゃうと、興ざめしゃうから、きっとこんな感じだったんでしょう、って思っているのがいいのだと思うよ。
演じたケイト・ブランシェットが、イングランド出身じゃないのは、皮肉かしら。
ケイト・ブランシェットも、ジェフリー・ラッシュも、オーストラリア出身だからね。
ここまでじゃなくっても、オーラが出せる女優が、国内にいない(と思う)のは、残念。
彼女を見ていると、ギャップを感じるなぁ。
ケイト・ブランシェットって、妻だし、2児の母なんだよねぇ。
ますます、尊敬しちゃうわ。
余談だけど、撮影中、自分の子供がケガかなんかをして、ケイトは自家用ジェットですっ飛んで帰ったらしいんだけど、撮影に穴を開けないように、トンボ帰りしたらしい。
アホみたいだけど、すごいなぁ、ばっかりだ。
褒めすぎ、じゃないと思うよ。

特に女性にお薦めかしらね。
でも男女関係なく、彼女の演技だけでも、見て損はないと思う1本だよ。
タグ:映画
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コメント 6

mika

ケイト賛辞、私も大賛成です!
まだ、残念ながらエリザベスは見たことないんですが、彼女は本当に素晴らしい女優さんです。日本では、人気投票で上位にランクインするような感じではないかのしれませんが、私は大好きです。
とにかく、演技の幅が広いしかっこ良かったり、可愛かったりと様々な顔を見せてくれます。今度は、女性ながらボブ・ディランを演じる様ですし・・この人が出演するなら観てみよう、と思わせてくれる魅力的な人ですよね!
by mika (2008-03-04 01:26) 

little_snow

やっぱり観たいなぁ・・・
ケイトって背も高いし、ブロンドでゴージャスな感じですよね。
エリザベスは以前観てるので、やっぱり時間作っていかねば・・・
by little_snow (2008-03-04 20:46) 

LICCA

mikaさん、こんばんわ!
ケイト・ブランシェットは、例えばアンジェリーナ・ジョリーとか、ジェシカ・アルバとかとの人気とは、違うんですよね。
確かに年齢もちょっと違いますが、いぶし銀というか、女優魂というか、偉大な人のように思います。
ボブ・ディランは話題になってましたね。
「エリザベス」はレンタルで見てみて下さい。政治のごたごたに巻き込まれる前の、かわいいエリザベスが見れますよ!
by LICCA (2008-03-04 22:03) 

LICCA

little_snowさん、こんばんわ!
背高くって、ガラドリエルになったんですよね、確か。
ブロンドで知的な感じがして、イヤミが全くなくって、ステキな方です。
できるなら、映画館に見に行って欲しいです~。
by LICCA (2008-03-04 22:04) 

うつぼ

オヒサシブリィ、LICCAさん!
ソネブロ、あまりにダメでビックリしましたよ。。記事書けないし、コメント入れられないし、使いづらくなっちゃったし。。。。
ところで、この映画、機内で観ようと思ったのにシステム不調で見られず、その代わりグースカ寝てしまいました。ケイト・ブランシェット、、実は結構好きな女優さんなので、劇場でちゃんと観ようと思います。
by うつぼ (2008-03-05 23:22) 

LICCA

うつぼさ~ん!お帰りなさい~!
ソネットはねぇ・・・いつもの事とはいえ、今回はかな~りヒドイ。

ケイト・ブランシェットじゃなきゃ、こうはならないだろうなぁ、と思いながら見ておりました。
私の中では、唯一好きな女優さんです。
是非、映画館で!
by LICCA (2008-03-05 23:28) 

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