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「永遠の愛」だそうです 【魔法にかけられて】 [映画日記<2008年>]

「魔法にかけられて」を見たよ!

魔法の国“アンダレーシア”の森に住むジゼル(エイミー・アダムス)は、いつの日か、心優しい王子様と結婚する事を夢見る女の子。
毎日、森の動物たちと歌を歌っては、王子様との出会いを待ち焦がれている。
出会いは突然に。
トロールに追われたジゼルが木から落ちると、彼女を受け止めてくれたのは、アンダレーシアの王子エドワード(ジェームズ・マーズデン)。
二人は一瞬にして恋に落ち、明日は結婚式。
ところが、エドワード王子の継母、ナリッサ女王(スーザン・サランドン)が、王座を奪われる事を恐れ、ジゼルを騙し、アンダレーシアから追放してしまう。
ジゼルが追放された先は、なんと現代のニューヨーク。
現実世界に迷い込んだジゼルは、初めて見る世界に、てんてこまい。
そんな彼女を助けたのは、離婚弁護士、自らもバツイチ、6歳の娘と暮らすロバート・フィリップ(パトリック・デンプシー)。
彼の好意を受け、超天然おどき話キャラ全開のジゼルに、ロバートの方が振り回させてばかり。
そんなところへ、エドワード王子がジゼルを追いかけ、ニューヨークーにやって来る。
ジゼルの親友でリスのピップ、執事のナサニエル(ティモシー・スポール)までやって来てくる始末。
そして、いつになってもエドワードとジゼルを引き離せない状況にイラ立ったナリッサ王女は、ついに自ら、ニューヨークへ乗り込んできてしまった。
大混乱のニューヨーク。
果たして、ジゼルの恋の行方は・・・

トレイラーを見て、絶対見ようと決めた作品。
こういうパロディのセンスは、やはりアメリカ人には勝てないかなぁ。
老舗ディズニーを愛する気持ちが伝わってくるのに、それをパロディにして、笑ってしまえ、ってところがいい。

本筋は、永遠の愛をとうとうと語るジゼルに振り回されているうち、超現実主義のロバートの心が次第に溶けてゆき、やがて二人はお互いの気持ちに気づき、真実の愛に目覚める、という典型的なハッピーエンド。
もちろんディズニーだもん。軸がブレない。
ブレる訳がない。
恥ずかしいほどに、一件落着。

まず、オープニングのアンダレーシアの部分。
アニメの部分なのだけど、さすがは本場ディズニーのアニメだけあって、
ジゼルの顔も、エドワードの顔も、本人そっくりに、なのにあのディズニーアニメ独特の、少々濃い顔つきに、すごく巧くできてる。
パロディだと分かって見ているから、ディズニーアニメ独特の動きとかが、妙にわざとらしく見えて可笑しい。
しかも、白雪姫しかり、森の中でまだ若い女性が一人、動物たちと仲良く楽しく暮らしているなんて、もうツッコミたくて仕方がない。
どうやって生活してるんだよ、ってね。
もちろんアニメの世界の暗黙の了解なんだけど、ここはあえてツッコミたかったね。
あれよ、ディズニーに限らないかもしれないけど、非現実的な設定がまかり通る世界だもん。
おとぎ話の世界は、怖いなぁ。

現代のニューヨークに着いてからのジゼルとロバート。
そしてエドワードたちのドタバタ劇は、予定調和、みんなの想像通り、トレイラーで見たように、順調にてんやわんやで進むねぇ。
素っ頓狂なジゼルを、案外マイペースに受け止めてるロバートに、イライラするくらいだよ。

アンダレーシアでするみたいに、動物達を集めて、散らかっているロバートのアパートの部屋をお掃除する事にしたジゼル。
これは正直、止めてくれ~と思ったのが、
集まった動物が、ハトとネズミは許そう。
まぁ可愛いし。
だけど、あの大量のゴキは・・・
確かに、大都会、集まるのはそういうものなのかもしけないけどさぁ。
画面いっぱいに茶バネが・・・
風呂とか掃除している場合じゃないって・・・
私の天敵だからさ・・・もごもご。

ちょっと反則気味に可愛かったのが、アンダレーシアから来ちゃったリスのピップ。
アンダレーシアではジゼルと普通に話していたのに、ニューヨークに来たら、リス語オンリー。
つまり、誰も何を言っているか、分かんないの。
キーキー鳴いているだけ。
これも卑怯なんだけどさ、だからピップは、ジェスチャーで伝えようとするのよ。
それが、可愛くってね。
しかも、ピップ。
もしかしたら一番の功労者。
ニューヨークで大暴れのナリッサ王女を仕留めたのは、ピップかもしれないもん。
活躍しすぎ。
エドワードが不憫に思えてくるよ。

エドワードと言えば。
演じているのは、ジェームズ・マーズデン。
私の記事に、時たま出てくる人なのだけど、またまたフラれ役でしたな。
何度目のフラれ役かしらね。
でも、今回は、彼のコメディーっぷりが思う存分に発揮されていて、良かったんじゃないかな。
もう少し、活躍してくれているものだと思っていたけど、そうでもなかった。
歌が上手いからね。その意味もあっての起用なのかな。
微妙な2枚目という、これまた微妙なポジションを確立したような気もするけど。

ジゼルとロバートの、永遠の愛をディズニー形式で描いたこの作品なのだけど、
永遠の愛という、ロマンティックで夢のような愛を描いている訳だけどさ、
私の少々ひねくれた斜め視線からこの作品を見ちゃうと、
どんなに愛していても、いつかはその愛も、変わってしまう日が来るかもしれない、
という、実に現実的な教訓を教えてくれたのは、当のジゼルじゃないか、と思っちゃうのだけど。
何故なら、5年間、地道に二人の愛を築いていたロバート、恋人ナンシーの愛を、
その愛を終わりに導いてしまったのは、何を隠そう、ジゼルに他ならないから。
もう、本末転倒。
ジゼルとロバートは、真実の愛に気づいて、そりゃ、万々歳で楽しいでしょうね。
でも、5年の愛を、たかが数日のてんやわんやで奪われたナンシーにしてみれば、
ジゼルに愛の真の姿を見せられてしまった、可哀想な方。
エドワードは、そんなのたいして気にしていないような、おとぎの国の住人だけど、
ニューヨークで働くキャリアウーマンだったナンシーは、キツイよね。
彼女が、隠れロマンティストみいな設定が、見え隠れしていたのは、その為でしょうね。
彼女も立ち直り早くて、結局アンダレーシアに行って、エドワードと結婚しちゃったけど。
永遠の愛を見せられているはずが、いつの間にやら、愛の真の姿を見せられてしまい・・・
私のうがち過ぎな物の見方なのだけどさ。

そうだ。
ナリッサ王女が、最後にとっておきの姿に、と言って、ドラゴンっぽい生き物に変身したのだけど、これへ是非、一つツッコミを。
あの姿になるなら、なんで飛べる翼をつけないかなぁ。
ドラゴンなら、空を飛んでくれ。
まさか塔から落ちて死ぬなんて。
てっとり早い王女の最期には、うってつけだったのかしら?
情けない死にっぷり。
あぁ、ディズニーだから、死んだとは言わないのか。
情けない落ちっぷり。

セルフパロディの面白さを詰め込んだ作品に、間違いないと思うよ。
でも実を言うと、もっと面白いかと思ってたんだ。
実際見終わったら、すんごく面白いとは思わなかった。
結構面白かったんだけど、トレイラー見て、是非見たい、と思った時ほど、面白いとは思わなかったんだわ。
なんでだろう。
中だるみを感じたせいか、期待しすぎたせいかは分からないけど、
ロバートのはっきりしない態度とか、ナンシーを軽く捨てちゃったところとか、
細かい何かの積み重ねかしらね。
やはり、輝かしいジゼルとロバートの恋物語の裏で、
エドワードとかナンシーの事を考えていたせいかも。
つい、「いつか恋も終わりが来るんだぞ(byオーケン)」、と、これまたディズニー作品に言ってもムダなセリフが、頭をよぎったりして。
あぁもう、これも、私のうがち過ぎ。

永遠の愛の行方は置いておいて。
久々にパロディの面白さを楽しめたわ。
映画「日本以外全て沈没」のスタッフに、爪の垢を煎じて飲ませたいかも。
ディズニーアニメの元ネタを知っていた方が、より楽しいかもしれないけど、
たいして知らない私も楽しかったから、平気でしょう。
楽しんで見て下さいな。
タグ:映画
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うつぼ

LICCAさん、おはようございまっす!
(2時に記事アップとは夜更かしですね、LICCAさん、笑)
この映画見たいと思いながらまだ機会がありませんで。
この手の映画はディズニーだから許される、というのもありますよね。
私もちょっとくらいの矛盾など許してしまいそうですし。。。
予告編でスーザン・サランドンのディズニー意地悪継母ステレオタイプを行くようなメイクに期待していたのですがティモシー・スポールも出ているとは。結構好きなんです、あの出っ歯。(笑)

by うつぼ (2008-03-24 06:32) 

LICCA

うつぼさん、こんばんわ!
実は、予約投稿システムを使ってたり・・・(笑)
寝たのは、記事がアップされる30分前です。前の記事と投稿日が重なっちゃうもので(苦笑)
ティモシー・スポールは、もうアニメの絵と、本人がソックリ!元々アニメ顔(失礼!)な方。彼は独自路線で、笑わせてくれましたよ。
スーザン・サランドンは、おそらく本人だと分からないくらいすごい濃いメイクで(笑) たしか、魔女のおばあさんもご本人が特殊メイクで演じてらっしゃるんじゃなかったっけか・・・。
みんなテンション高いです。異様に(笑)
by LICCA (2008-03-24 21:57) 

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