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あくまでヒーローアクションだからさ 【ザ・コマンダー】 [映画日記<2006年>]

「ザ・コマンダー」をレンタル&視聴。

今週は、バンバン撃ち合うような映画が見たくてね。
これも典型的なアメリカ映画だと思うのだけど。

とある国。
新政権の大統領に対し、倒された旧政権の残党がクーデターを起こした。
大統領は米大使館へ助けを求める。
そこへ調度、赴任してきたのが、米大使と親しい、米軍のキーナン中佐(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)。
キーナン中佐は大統領、そして米大使館や米国民を、守りきる事ができるのか・・・

前提として、アメリカ人が作った、アメリカ、特にアメリカ軍賛辞の映画である事。
新政権の大統領が、善人である事。
当然、こういう場合、クーデターを起こした残党は、彼らだってその国の国民であるのに、虫けらのように殺されて当然、の扱い。
リドリー・スコット監督の「ブラック・ホーク ダウン」もそうだったようにね。

それでも、面白かった。
全く情報なしで、期待がなかった分、余計にね。
ストーリー展開が、実によく出来ていると思った。
次から次へと問題が起こったり、徐々に追い詰められているかと思えば、急に大ピンチになったり、一つ上手くいったかと思ったら、実はハメられていて、最悪の展開になったり。
飽きさせないから。

まず、ジャン=クロード・ヴァン・ダム演じる、キーナン中佐。
あまり派手なルックスでなく、それほどオーラを発しているような俳優ではないように見えるけど、
無骨なルックスとか、非常に鍛え上げられた肉体とか、バツグンの判断力、強さ、どれをとっても、まさにミリタリーアクション映画の、主演といった趣き。
実に堂々としていて、自信たっぷりなのが、安心できる。
だから、彼の活躍を、知らず知らずのうちに、期待しているのだよね。

で、問題は身内から。
米軍が駐留している訳ではなく、大使館の関係で軍人がいるのだけど、初めは大使がなかなかの人物で、彼を中心に動いていたのだけど、大統領が米大使館へ避難してきてから、残党の攻撃で大使が亡くなってしまうと、人物関係が、ちょっと複雑になってくるのだな。
キーナン中佐は、大使には信頼されていたけど、手続き上、軍人のトップは違う人物。
さらにFBIの人間がいて、彼はキーナン中佐に対抗心丸出し。
場を仕切りたいキーナン中佐が、手を出せずにいるところは、非常にもどかしい。
それでも好人物よろしく、キーナン中佐が手をこまねいて、FBIに仕切らせたら、脱出を選んだ結果、盗聴されてハメられて、一般の米国民を半数近く失ってしまう。
そこで初めて、脱出に反対していたキーナン中佐にお株が回ってくる訳だ。

クーデターを起こした残党組は、数百人。
米大使館の軍人は、わずか2~30名。
国軍が都市部に戻るまで約4時間。
近くの駐留米軍から、援軍がくるまで、これも約4時間。
それまで持ちこたえられれば、というリミットがあるのが、またドキドキ感が増すね。
ほとんどキーナン中佐の独壇場、本領発揮で、いよいよラストにむけ、厳しい状況の中で、生き残る事ができるか、いい感じの盛り上がり方だと思うよ。
でもって、さすがに国軍の裏切りには、驚いた。
やっと戻ってきた国軍。
これで大統領も、大使館も、やっと無事に生還とか思われたのに、国軍まで裏切っていて、もうボロボロの状態の米軍人は、対抗できる訳がない。
そう思わせたのは、効果的。
ちょっとしつこいかとも思ったけど、その後に、米軍の援軍登場で、さらにカッコ良く見せたかったのね。
米軍ヘリが、そりゃ~カッコ良く見えるさ。でも、やっぱり、ちょっとしつこかったかな。
大統領も、国も、米軍さえ来れば、みな無事、安全、救われる。
最初にも言ったけど、米軍賛辞だし、軍人募集のポスターみたいだし、各国に介入している米軍の正当化を訴えているし、そういう面では、何か邪な訴求が見え隠れしているのだけどね。
でも、単純に、キーナン中佐の活躍を楽しむのであれば、最後まで飽きさせない作りは、なかなかのものだと思うよ。

これも典型的なのだけど、赴任先の国に、すでにジャーナリストとして、キーナン中佐の彼女がいたのには、笑っちゃった。
どこかのニュースで見たように、外国人の記者達が襲われたり、人質になったり、忙しい。
キーナン中佐は、彼女だけは公私混同で、よく守ってあげてるよ。
特別、彼女だけ、そう言われても、あれじゃ否定できないっしょ。
でもヒーローには、女がつきもの。
そういう事だよ。

悪役、この映画の場合は、クーデターを起こした残党の頭になるのだけど。
こういう役に、魅力を持たせるのは、難しいね。
特にアメリカ独特の、勧善懲悪の世界観に、魅力ある悪役ってのは、非常に難しいと思う。
比較的、日本の悪役には、魅力的な人物がなる場合があると思うのは、贔屓目かしら?
小者ではなかったけど、それほどの存在感もなくて、それは残念な事。
米軍賛辞になってしまうのは、こういうところによるのもあるよね。
ま、でも、これは国民性だからなぁ。仕方ない。

もちろん、キーナン中佐の大活躍で、あと米軍の援軍でか、ともかく、クーデターは沈静。
キーナン中佐、カッコ良かったね~、で終わる。
政治的、軍事的、思想的な事は、この際抜きで、そうして見れば、きっと楽しめるよ。
米軍の命令系統のすごさとか、アクションとか、緊迫した感じとか、良かったと思うもんね。
ヒーローアクションとして、見終わった後、すっきり感もあるし。
だから、余計な事は、考えちゃダメ、そういう事だよ。
これは社会派映画じゃない、あくまでアクションヒーロー映画なのだから、いいのいいの。

ザ・コマンダー

ザ・コマンダー

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2006/07/26
  • メディア: DVD


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