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渋い大人の魅力満載 【ザ・センチネル/陰謀の星条旗】 [映画日記<2006年>]

「ザ・センチネル/陰謀の星条旗」を見たよ!

予想以上に渋くて、中年男性の魅力あふれる作品に、ご満悦。

141年の伝統と誇りを持つシークレット・サービス。
一度も裏切り者の出ていないシークレット・サービスに、情報屋より、大統領暗殺の情報が入る。
そして、シークレット・サービスの誰かが、関与しているらしい。
捜査の命を受けたデヴィッド・ブレキンリッジ(キーファー・サザーランド)は、ウソ発見器の結果などから、彼のよく知る人物の自宅へ、乗り込んでいく。
一方、かのレーガン大統領を銃弾から救ったシークレット・サービス伝説の男、ピート・ギャリソン(マイケル・ダグラス)。
彼には、誰にも言えない秘密があった。
それは、大統領のファースト・レディ、サラ・バレンタインとの関係。
それを誰かに知られ、脅されるピート。
ついに、シークレット・サービスの仲間まで殺され、内部の裏切り者の存在が、いよいよ真実味を持ってくる中、ピートの元へ、内部調査を進める彼の教え子でもあるブレキンリッジが、自宅まで乗り込んでくる。
彼らの間には、個人的な溝があった。
それは、ブレキンリッジは、自分の妻とピートが、寝たと思っている事。
恩師と教え子。
裏切り者の嫌疑と、ファースト・レディとの不倫。
自ら容疑を晴らすしかないピートは、新犯人を見つける為、ブレキンリッジの隙をつき、逃亡を選ぶ。
果たしてピートは、犯人を見つけ、自らの嫌疑を晴らし、大統領暗殺を未然に防ぐ事ができるのか・・・

冒頭から、シークレット・サービスの徹底した警備の様子と、その統率のとれた組織の様子が、彼らの無線の音声と共に、テンポよく紹介されてて、カッコ良いよ。
大統領とファースト・レディの、プライベートのなさ、さすがにベットルームまでは入ってこないけど、常にシークレット・サービスがついて回るのは、いやぁ、さすが。
大統領の事を“クラシック”、ファースト・レデイの事を“シンシナティ”とコードネームで呼ぶのだね。
ホワイト・ハウスの執務室も、多分本物と同じに作られてて、他の映画で見た執務室も同じだったから、きっとそうなのだと思うのだけどね、スタッフは徹底したリアリティを求めて、この作品を作っているのだと思うよ。
それが伝わってくる。
移動手段やルートも2つとか用意してあって、その瞬間まで、どちらを使うか、分からなくなっていたりね。
とにかく、警備の厳重さは、他の比じゃないんだよね、きっと。
だから、その分、シークレット・サービスから裏切り者が出た場合の、その危うさが、想像できる。

裏切り者の嫌疑と、ファースト・レディとの不倫と、二つのどうしようもない事情に翻弄されるピートが、ストーリーの中心。
彼の逃亡劇が始まると、途端にスピード感が増したね。
演じるマイケル・ダグラスも、結構年がいってると思うのだけど、それを感じさせないキレがあって良いね。
凛とした容貌もそうだけど、とにかく賢いのだよ、彼は。
それを知っていて、追うブレキンリッジだけど、ピートの方が一枚上手なのよね。
経験の差かしらね。
携帯もカードも使えず、それでもその手際の良さには、本当に下を巻くよ。
おじさん、カッコイイっす。

もう一つの見所は、ピートとブレキンリッジとの友情かな。
師弟関係なのだけど、ピートが妻と寝た寝ない問題が、ブレキンリッジを頑固にしていて、最初はその溝が決して埋まらないのではないかとも思った。
でも、ピートが少しずつ真実に近づいていくと、ピートの潔白をブレキンリッジも信じざるをえなくなる。
二人の関係が、少しずつほぐれていって、結果、再び、昔の友情を取り戻して、二人で大統領暗殺を阻止しようと、走り出した姿は、いいよね。
「24」を見た事がないから、ブレキンリッジを演じるキーファー・サザーランドを見たのは初めてだったのだけど、渋くていい俳優さんだと思ったわ。
彼も凛としているし、聡明な感じがするよね。
ただ、私の中で、どうもキーファー・サザーランドとマイケル・ダグラスの印象がかぶってましって、最初のうちは見間違えたりしちゃって、ちょっと困ったけど。

大統領暗殺を計画していたのは、元KGBと、シークレット・サービスを裏切ったモントローズなのだけど、まぁいつも通りというか、犯人役がいまいち存在感が薄いのは、仕方ないかな。
今回は特に、ピート・ギャリソンとブレキンリッジの二人の存在感が、かなり強いから、しょうがないのだけどね。
何より、141年で初めての裏切り者になったモントローズが、思ったより小者キャラで、少々情けない。
どうせなら、ガツンと裏切り者になって欲しかった気がする。
最後は家族を盾に脅されて、泣きついてたもんね。

かなり硬派なポリティカル・アクション(正確にはポリスではないけど)と、中年男性二人の友情物語は、最後までぐいぐい引き込まれて、あっという間の2時間で楽しかった。
本物に限りなく近いであろうシークレット・サービスの実態とか、エージェントの優秀さとか、感心しかりだったし。
あえてツッコむなら、ピート・ギャリソンが疑われた理由が、ウソ発見器の結果や、その後の調査に引っかかったという以外に、どうもブレキンリッジの個人的な感情が、なんか入っている気がした事かな。
長い事、優秀なエージェントで、大ベテランで、伝説にまでなるような男が、レーガン大統領を救ったのに出世ができないとか、そういう俗っぽい理由で、暗殺計画にのるか、と言われると、否だと思うのだけどね。
ブレキンリッジは、ピート・ギャリソンの事を、信用できない男、というけど、それは自分の妻と寝たと思い込んでいるからで、やっぱり個人的な気がする。

日本には決してない、アメリカのカッコ良さを味わうには、良い作品だよ。
何より、マイケル・ダグラスと、キーファー・サザーランドが、渋くてカッコいいからね。
二人の友情も、スピード感たっぷりのストーリー展開も、犯人を特定する過程もいい感じ。
大人なエンターテイメントだね。これ。
私が見たのは、平日の昼間だったけど、実際、観客の平均年齢、かなり高かったよ。
ラスト、大統領を救ったピート・ギャリソンは、シークレット・サービスを辞める。
もちろん、ファースト・レディとの不倫を、自ら上司に報告してね。
女で身を滅ぼすのは、どこも世界も一緒だね。
同僚に見送られて、円満退職ではあるけど、ちょっと苦笑いなラストだったわ。
でも実際に、シークレット・サービスのエージェントと、ファースト・レデイの不倫て、できるものなのかな?
フィクションだから、どちらでもいいのだけど。
でもちょっと、大統領が、気の毒だわね。


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堀越ヨッシー

LICCAさん、どうもッス。
センチネル...なんだか巨大なロボットが出て来そうな邦題ですね(苦笑)。この邦題のせいで地味な印象が拭えないですね。だからTVコマーシャルでも「24を越えた...!」なんて売り文句を使用したりしてたんでしょうけど。
マイケル・ダグラスは大好きなので見てみたいな..とは思っているのですが、ちょっと時間がとれそうになくてレンタル待ちになりそうです。
by 堀越ヨッシー (2006-10-16 07:30) 

Catcat44

>ヨッシーさん、こんばんわ!
確かに、転がったデカイ頭の後ろから、毛深い葉巻くわえた男が出てきそうです(笑)
センチネル/sentinelって、「見張り」って意味なんですね。なるほど。
「24」の人気のせいで、キーファー・サザーランドで売っている気がしますが、私はマイケル・ダグラスも、充分売れそうな気がするのですが。
とにかく、二人のおっさんが、渋いですよ。
by Catcat44 (2006-10-16 18:27) 

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