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へびヘビ蛇 【スネーク・フライト】 [映画日記<2006年>]

「スネーク・フライト」を見たよ!

アメリカで公開になって、大人気っちゅーニュースを見て、
あぁこれ見たいかも~って思っていたのよ。
無茶な設定がたまらんでしょう。
「Snakes On A Plane」という原題もイイ。そのまんまで。珍しく邦題も悪くないね。
ま、思いっきり寝坊したおかげで、見る予定だった作品も場所も変更で、見れたのよね(苦笑)

ハワイでモトバイクを楽しむのショーン(ネイサン・フィリップス)は、森の中で、LAの大物ギャング、エディ・キムが、検事を殺す場面を目撃する。
逃げ出すところを見つかってしまい、家までキムのギャング達が乗り込んできてショーンを殺そうとする。
が間一髪、FBIのエージェント、ネヴィル・フリン(サミュエル・L・ジャクソン)に助け出されたのだった。
フリンはキムを有罪にする為、ショーンに無事LAで証言してもらわなければならず、厳重な警備の中、ハワイを発つ。
だが、キムは何としてでも、ショーンをLAに着く前に殺してしまわなければならない。
そこでキムがとった方法は、彼らの乗る飛行機に、毒ヘビを大量に放つ、という事だった。
毒ヘビに噛まれて死ぬか、飛行機ごと落とすか。
フリン、ショーン、乗員乗客、そして毒ヘビ。
ハワイ発ロサンジェルス行き。
サウス・パシフィック121便は、フライトを開始した。
果たして、彼らの運命はいかに・・・

素晴らしく美味しくできたごった煮。
大成功した闇鍋。
そんなところかな。
こんな設定、ありえん!
としか考えられない人には、きっと面白くもなんともない作品なのかもしれないけど、
あなどるなかれ。
次から次へと起こる問題、しかも命に関わる問題を、
非常に丁寧に作っているので、決して子供だましではないよ。これは。
ヘビ問題だけでも大変なのに、それに飛行機自体の損傷問題、操縦士の問題、乗客同士の問題と、フルサービス状態でやってくる難問は、見ていて息つく間もないくらい、夢中にさせてくれるよ。
何より、フリン役のサミュエル・L・ジャクソンが、これまた終始ヒーローでいてくれるから、カッコイイし。彼、相当入れ込んでいたみたいだからね。
それに、生死に関わる事だから、自然と人間ドラマも重くなってくるし、ヘビ達はホラー映画よろしく、よく驚かせてくれたよ。

まず、登場人物達が、みな個性的でイイ。
すぐ死んでしまう役はともかく、深夜便とはいえ乗客はそこそこいるから、ストーリーにからんでくる人物は個性がなきゃ、数に埋没しちゃう恐れがあるのだよね。
でも、ご心配無用なほど、みなイイキャラだよ。
フリンはとにかく強くてヒーロー。
ショーンは、正義感のあるナイスガイ。裁判での証言は迷っていたけどね。
クレア(ジュリアナ・マーグリーズ)は、芯の強いフライトアテンダント、ヒロインらしいヒロイン。
それに、フライトアテンダントの面々、潔癖症のラッパー、そのお供のデブ兄弟、初めて二人でだけで飛行機にのった幼い兄弟、赤ちゃんをつれた女性、犬を猫可愛がりするパーティ・ガール・・・etc
みんな自分の役割を分かっているかのごとく、活躍してるよ。

そして、ヘビ問題。
いやぁ、色んな種類がいたねぇ。
撮影には、本物も使ったみたいだよ。もちろん、そういう専門家の元でね。
即死するほどの毒ヘビから、数時間かかる種類や、翌日には治ってしまうくらいの種類までいろいろ。
しかも、全世界的に登場しているよう。
このヘビ達、役者だよ。
ちゃんと腹うねらせて這いまわって、多分ヘビが嫌いな人は、この腹具合が気持ち悪いんじゃないのかな。
そのヘビの特徴をしっかり出して、そっと近づいてガブッとやったり、毒牙から毒を発射ひっかけたり、コブラは鎌首持ち上げていたし、天井からぼとぼとと落ちてくる様は、ヘビが嫌いじゃなくても、ぞぞっとしたよ。
カメラ目線がたまりませんよ。CGだと分かっていてもね。
それと、ヘビ目線というものを使っていて、獲物に近づくヘビ自身が見えているものを、映像化していたよ。
緑っぽい一色の、「ピッチ・ブラック」っていうヴィン・ディーゼル主演映画の映像みたいなのだけど、この例えで、何人分かってくれるかなぁ。
この映像で、以外と臨場感が増した気がするわ。
でかいニシキヘビが登場するのだけど、圧巻だよ。人を頭から一飲み、できたのかな。
何故か、ヘビ達は局部を狙って、噛み付くのだよね。
首ならともかく、目や口や股間・・・ワザとやん。

で、飛行機の損傷問題。
ヘビがあちこちケーブルをちぎってしまうのだけど、そのせいで、エンジンがいまいち調子が悪くなったり、停電したり、空気の循環ができなくなったり、こりゃ大変だね。

そのうち、パイロット二人も、ヘビに噛まれて、ノックダウン。
今度は、操縦士の問題発生。
いやぁ、たまらんでしょう。この展開は。

乗客同士の小競合いなんかも起こるのだけど、そんなの大した事ないんだって。
なんとなくみんなが協力し合っていて、なんかいい感じ。
ただ、最初のパニックの時に、一番怖いと思ったのは、人の方。
ヘビよりも、パニクッた人たちが、一斉に逃げ惑っている方が、怖い。
みな自分の事しか考えてない、基い、考えられない状況ってのは、何が起きても不思議じゃなくって、イヤだね。
人に踏みつけられて、命を落とした人もいる。でも、それを誰が責められる?
イヤなもん見たなぁ。

荒唐無稽の設定の、B級映画なのだけど、パニック映画としては、異例のフルサービスてんこ盛り。
まず、ヘビから身を守らなきゃならない。しかも撒かれたフェロモンでラリったヘビからね。
次に、パイロットを欠いた飛行機を、無事、操縦&着陸させなきゃならない。
これは、至難の業だ。
そして飛行機自身の損傷から、例えば酸欠とかから、生き延びなきゃならない。
前途多難だよなぁ。
でも、以外とすーっとやっとのけちゃったね。
着陸させるのに、操縦席に着いたのが、あのデブ兄弟の弟、しかもフライト経験があるにはあるけど、プレステ2の操縦シュミレーターだときた。
サイコーっしょ。
で、驚きのスムーズランディングなのだから、プレステ様々だよね。

この映画、感情の配分が上手いのかな。
ヘビの急襲でバッと驚かしてみたり、生々しい傷や死ぬ場面を見せてみたり、フリンの活躍でホッとさせてみたり、幼い兄弟や赤ん坊の話で胸をきゅんとさせてみたり、時に男同士の友情、時に男女の心と、これもてんこ盛りなんだよね。
恐怖できゅっと締める場面と、ホッとさせて緩める場面と、それを上手くまとめているから、見やすいんだな。
編集とか脚本が上手いのだろうね。

ラストに向けて、突如キレたフリンことサミュエル・L・ジャクソンには、笑わせてもらったよ。
それに、こんなに頼もしく思えたのは、他にないかもね。
機体に穴開けて、風圧でヘビを海に放っちゃうのだから、考える事が大雑把でいいよ。
あの後、海に落ちた毒ヘビ達は、回収してもらえたのかなぁ。
巨大なニシキヘビがぴゅーっとお空に消えていくのは、なんか気持ち良かった。

ほぼずっと、飛行機内での阿鼻叫喚の場面なのに、オープニングとラストだけは、ハワイのリゾートを味わえるのだよね。
美しい海、緑の山々、そこでマリンスポーツを楽しむ人々。
こういうギャップが、アメリカっぽいって思ったわ。
どこか楽天的というか、気持ちの切り替えが早いというかね。
見ると気付くけど、日本はともかく、アメリカで売れる要素たっぷりなのだね。
ハワイのリゾート、ギャングの犯罪、ホラー的なヘビ使い、ヒーローアクション、キレイなおネエちゃん、人間模様、ラストのハッピーエンド。
なるほど。

ヘビが苦手な人は、多分見ない方がいいよ。
相当、気持ち悪いだろうから。
隣の席で見ていた女性二人組みが、最初の頃、ずっとあーとかきゃーとか言ってたもん。
そうでもない人は、なかなか良くできた、ヒーローアクション&パニック映画だから、どうかしら。
私、多分かなりほくそ笑んで見ていたはず。
ほくそ笑む。
あぁ、正にそういう作品だよ。
ほくそ笑んでみたい方は、是非!


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堀越ヨッシー

うわー、早いなー!!、もう見たんスか、この映画!!。
年に一回ぐらい、こういうおバカ映画を見たくなる衝動にかられます(苦笑)。...前回は確か「ドッジボール」だったかな。キショー!、オイラも早く見たいけど、時間がないよー...orz。
「ピッチ・ブラック」を知っているLICCAさん...やはりただ者ではない....。
by 堀越ヨッシー (2006-10-26 07:54) 

Catcat44

こんばんわ!
実を言うと、レディースデイでしかもお休みだったこの日、「ブラック・ダリア」を見に、ポイントキャンペーンを実施している銀座へ行こうと予定していたのです。
でも、起きてみたら、ものすごい寝坊(笑)
地元から近くて、時間の合う「スネーク・フライト」に変更したって訳なのですよ。
「ピッチ・ブラック」は、続編の「リディック」公開時に、BSで放送していたのを見ました。
「リディック」はたいした事ない作品で、なぁ~んだって感じでしたけどね。
by Catcat44 (2006-10-26 21:55) 

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