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結構、秀作 【ダイ・ハード】 [映画日記<2006年>]

「ダイ・ハード」をレンタル&視聴。

ブルース・ウィリスついでに、きちんと見てみた次第。
素直に、これ、面白い!
ブルース・ウィリスを、世界的なトップスターにした一作。
キアヌ・リーヴスでいうところの「スピード」みたいな作品だよね。
でも、「スピード」より、面白かったかもね~。

クリスマス・イヴ。
NY市警のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、仕事の関係で別居中の、離婚の文字が目の前をちらつく別居ではあるが、妻ホリーの勤め先、ナカトミ通商のパーティーへ出席する為に、LAに降り立った。
ナカトミビルの30階、パーティー会場。
ジョンとホリーは、久しぶりの再開。
だが、嬉しいはずの再開も、ジョンの口から出てくるのは不満ばかり。
パーティーがつつがなく進行する中、異変は始まっていた。
武装してビルを占拠する男達。
その頭ハンス(アランリックマン)。
彼らの目的は、ナカトミの保有する、換金可能な有価証券6億ドル。
外部との接触が一切遮断されたビルで、ジョンは一人、武装集団に戦いを挑む。

何度か、テレビで見ているはずの、「ダイ・ハード」シリーズ。
全く覚えていなくて驚いたのが、舞台になる妻ホリーの勤め先が、日系企業だった事。
その名も、ナカトミ通商。
グループの本社は、東京。
LAにあるこの会社の社長も、日系人のジョセフ・ヨシノブ・タカギ(ジェームズ・シゲタ)。
しかもナカトミグルーブの副会長ときた。
ハイテクで管理されたビル内も、そこはかとなく日本テイスト。
というか、アジアンテイストで、大陸の文化もちらほらしていて、ちょっと間違ったジャパネスクではあるけどね。
公開が1988年なのだから、この程度なら、まぁ許容範囲内でしょうね。
ホリーが、まだ離婚もしていないのに、旧姓に戻してしまっていて、それを夫のジョンに指摘された時、日本では働く女性は既婚だと・・・どうのこうのと、言い訳していたよ。
決して、日本のイメージが悪くない、むしろいい方に解釈してくれているみたいで、ちょっと嬉しい。
ハイテクの自社ビルで、かなり稼いでいて、社長は勇敢な人格者、ホリーは女性なのに営業部長、もっと皮肉っていてもいいと思うのだけど、意外といい感じ。

1988年なら、まだCGは特別なものだったでしょうね。
合成映像のレベルじゃないかな。
だから、あまり、技術に頼っていないのが、またいい。
やっぱり、アクション映画は、生身と本物に限る。
何度も言っているけど、身体をはったアクションと、本物の火や炎、水には敵わんよ。
今から約18年前、まだ30すぎのブルース・ウィリスのアクションが、ステキだよ。
現実、今はCGで、どんなに危険なシーンも、完全に安全を配慮した場所で、俳優は思いっきり演技できるのでしょうけど、本当にちょっとしたスタント、ただ、大きなファンが回る場所を、ファンが自分の身体を傷つけないようにつっかえをして、気をつけながら通り抜ける・・・これだけのシーンでも、ハラハラできるのが、生身のいいところ。
流れる血に、リアルさが増す気がするよ。

実は、今回、「ダイ・ハード」シリーズの、1と2を立て続けに見たのだけど、そうしたら、何故1の方が面白かったのか、気付いた事が、いくつかある。
2も決して面白くなかったって事じゃないのだけど、充分面白かったのだけど、1の方がよりそうだった理由ね。

まず、舞台が、外部との連絡が遮断されたビルだった事。
それによって、主人公のジョンの隠れ場所もビル内だけで、犯人グループの行動範囲もビル内だけ。
これは大きいよ。
2は行動が自由だった分、規模はデカくなったけど、その分、緊張感が弛んでしまった気がする。
狭い場所でのハイド&シーク。
これはかなりの緊張感を生んで、効果バツグンよ。

次、ジョンが、犯人達を、一人ずつ倒していった事。
ようは、かくれんぼの要領で、一人ずつ、確実に倒していくのが分かるから、あと何人と、見ている方も確認できるでしょう。
だから、あと何人倒せば、勝てる、解放されるって、見ているだけで終わりが分かるから、安心できるのだよね。
ジェノサイドも気持ちいいけど、実際何人倒したのか、スローにでもしないと、確認できないもんね。

次、ジョン・マクレーンが、できる限り、自分の正体を隠していた事。
もちろん分かると思うけど、いつバレるか、いうドキドキ感ね。
そして、バレたらどうなるかって考えてしまう事だよね。

それにつながって、
奥さんが人質の中にいた事。
ジョンの正体にも関わる事だけど、
ジョンは、人質の中に、自分の身内、ましてや奥さんがいるのを、犯人に知られたくなかった訳だ。
利用されて盾にされたら、終わりだもん。
奥さんだけじゃなくって、自分が非番の刑事だって事も、できる限り知られない方が、やりやすかったはずだよ。
犯人達だって、邪魔をしている相手が、素人か玄人かって違いは、大きいと思うよ。
それなら、素人だって思わせている方が、有利ってもんでしょう。

次、外部の人間が、ジョンに非協力的だった事。
これは2もそうなんだけど、とにかく外部の人間、特に警察や関係者が、ジョンに冷たいんだな。
命張って頑張っているジョンなのに、ちっとも理解者がいないんだよね。
で、結局、一人なの。
自分しか頼れるものがない状況で、毎回ピンチを切り抜けるジョンが、逞しいんだなぁ。

それに関連して、
外部に理解者が、一人だけいた事。
パウエル巡査部長の事ね。
犯人にも聞こえているのだけど、外部の警官パウエルとジョンが、無線を使って話ができた事は、大きいよ。
だって、ボヤける相手がいたんだからね。
で、究極の状況で、身の上話なんかしちゃうのだから、始末が悪い。
だんだん理解し合って、いつしかパウエルはジョンを、無事脱出させたいと思っているのに、
でも、ジョンはパウエルに、妻に当てた遺書めいた言葉を残す訳だ。
お約束通り、パウエルはジョンに、「自分で伝えな」って言うんだ。
これって、うるっとさせる為の典型だよね。
それでも、ジョンのナイスガイぶりと、パウエルのいい人っぷりが、ツボをついてくるのだから、仕方ないよ。
パウエルが過去の失敗から、銃を抜けなくなっているっていうエピソードにも、ちゃんと決着をつけたのだから、グッジョブだよ。

上記以外でもあって、
ホリーとジョンが、あまり上手くいっていなくって、離婚か仲直りかってところも、引っ張ったねぇ。
シリーズでは、1は仲直り、2はラブラブ、3はケンカ中って、よくやるよこの二人。
あと、細かいけど、ジョンがずーっと裸足だった事も、印象深いよね。
裸足でビル内を駆け回り、ハシゴを登ったり、銃撃戦やったり。
裸足っていうオフな時間の象徴と、銃撃戦ていう思いっきりオンな状況との対比が、またいいんだよね。
しかも、後々、裸足なのがハンスにバレて、ガラスで嫌ってほど痛い目に合っているしね。

音楽で、ツッコミながら笑ってしまったシーンがあるのだけど。
やっとの思いで、犯人達が開けた金庫。
扉が開く時の音楽が、ヴェートーべンの第九だった事。
ちーとやりすぎ?
笑えたよ。
でも、FBIのテロ対策のマニュアルで、
ビル全体の電源を切らせたアイディアは、ナイスだった。
それがなかったら、犯人達は金庫のロックを、開けられなかったのだからね。

娯楽アクション大作。
それ以外の何者でもない作品なのだけど、
・・・面白かったねぇ。
どうにもなりそうもない状況で、主人公のジョン・マクレーンが、とにかく何とかしちゃうのが魅力なんだろうな。
今作、アラン・リックマン演じる、悪役のハンスが曲者だったのも、面白くなった要因だと思うよ。
アラン・リックマンって、あんまり悪役イメージないけど、
あの落ち着き払った犯罪グルーブのリーダーってのは、なかなかイイね。
粗野で乱暴で、頭が悪く、殺すだけ・・・
こういう犯人じゃなくって、本当に良かった。

トリビアの類だけど、
アメリカではかつて、警官や消防士など、危険を伴う職業には、移民たちが就いていた事実があるらしい。
差別等の理由から、就職もままならない移民たちは、危険だと分かっていても、職を選べないっていう歴史的事実があるらしいのだよ。
ジョン・マクレーン、彼のファミリーネームも、アイルランド方面の名前との事。
だから、移民の子孫であるマクレーン家、どうも警官という職業は、代々続くイメージだなのだけど、きっと代々、警官なのだろうと、想像できるよね。
そんなトリビアを、どこかで聞いたなぁ。

そんな理由から、ものすごく面白かったよ。
今の時代、いろいろやりつくした感があるけど、ちっとも古臭く感じなかったわ。
娯楽アクションだから、裏になにやらある訳じゃない。
見たままそのままだけど、楽しいよ。
簡単に見破れるCGも合成も、ご愛嬌。
汚れていって、見事、どんどん色づくティーシャツもご愛嬌だ。
ただ今、ブルース・ウィリスは、「ダイ・ハード4」を来年公開予定で撮っているみたい。
これはこれで楽しみ。
3から10年以上たって、さてはて、ジョン・マクレーンはどうなっているかな。
また、クリスマス・イヴに、事件は起こるのかな。
ジョンとホリーは、どうなったかな。
当時、小さかった二人の娘は、どんな美人さんに成長したかな。
楽しみがいっぱいだね。
シリーズ1~3なら、1がお薦めかな。
ちなみに、1も2も、最後の最後で、ツッコミ一つ。
ジョン・マクレーン、とりあえずあなたは、病院行きなさい・・・by天の声
そして、妻ホリー、イチャつくのは一向にかまわないが、とりあえずジョンを、医者に見せなさい・・・by天の声
なんて(笑)

ダイ・ハード [ベストヒット50]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/08/04
  • メディア: DVD


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堀越ヨッシー

ついに「ダイ・ハード」がきましたか...さあ、語るよー!!
...と思ったけど、そうとうに長くなりそうなので自粛(苦笑)。
日頃お世話になってるLICCAさんに進呈すべく、以前描いてたブルース・ウィリスのラクガキをブログにアップしようと思ってたのに、先を越されたよ...orz。まあ、色も塗ってない未完成作だからアップしようもないんだけど。
「ダイ・ハード」は、既存のアクション映画の常識を打ち消した記念碑的作品。...なのに、日本ではブルース・ウィリスが無名だったため、同じ年に公開された長渕剛の映画に興行収入で負けた...トホホ。
番外ネタをオイラからいくつか。
1、カールの弟が殺されたあと、サンタの格好をさせられて登場するシーン。ハンスが弟の頭をこづくシーンに注目!、死んでるハズの弟がハンスの手に反応して思わず目をつぶる!(死体役って大変...苦笑)
2、どこだったか忘れたけど、とあるシーン。反射したガラスに思いっきりカメラマンが映りこんでいる(カメラマンって大変...苦笑)
3、クライマックス、パウエルが銃を抜き、カールを射殺するシーン。ここで流れている音楽は実は「エイリアン2」からの流用。「2」でエイリアンクイーンが船外に放出されるシーンで使用されてた楽曲を、なぜか「ダイ・ハード」で使用している。これに関しては詳細は不明。
4、パウエル巡査役のレジナルド・ベル・ジョンソン。「ゴーストバスターズ」にチョイ役で出演してるんだけど、その時の役が巡査役...同じ格好してます(苦笑)。
...以上、ダイハードどーでもいいトリビア集でした!
by 堀越ヨッシー (2006-11-08 10:07) 

Catcat44

ヨッシーさん、こんにちわ!
今朝、タイトルを見て、目を輝かせた姿が、想像できてしまいました(笑)
いつの日か、記事より長いコメント、挑戦してみて頂いて、一向にかまいませんよー。
公開当時、私はまだ映画なんて1年に1本見るか見ないか、バンドに夢中になった年だと思うんですが、長渕剛に負けたってのは、ガックリですね。
トリビア、ありがとうございます! まだDVD我が家にあるので、早速探しちゃいます。
オーディオ・コメンタリーを聞きたいって思ったのですよ。レンタルのにはついていないので、ちょっとDVD購入したくなっちゃってます。う~ん、迷う。
ちなみに、ブルース・ウィリスの吹替えした声優さん、今聞くと、イメージがちょっとブルース・ウィリスとは違いますよね。上手い下手とかじゃなくって、あくまでイメージなのですが。
・・・ヨッシーさんのイラスト、いつか見たいなぁ~・・・なんて。
by Catcat44 (2006-11-08 11:46) 

堀越ヨッシー

...あ〜、吹き替えネタに触れちゃいましたか...そうなると...我慢できん!、再コメントしちゃいます!(苦笑)。
DVD版「ダイ・ハード」の吹き替えは樋浦勉さんという役者さんで、映画の吹き替えではよく耳にする方です。最近も「カーズ」(昨日購入!)の日本語吹き替えに参加されてますし、「シンシティ」のブルース・ウィリスも樋浦さんです。
でも、一番しっくりくるのはテレビ朝日版「ダイ・ハード」の野沢那智さんですね。いろんんなヴァージョンの中でも、オイラはこれが一番好きです。
先日の「マーキュリー・ライジング」(DVD版)の谷口節さんも、結構似合ってる声だと思います。
...一番笑えるのは、フジテレビ放送時の「ダイ・ハード」。ブルースの声をやってるのが、な、なんと村野武範...何故にブルースの声に食いしん坊を起用する(爆)...しかも相当に下手っぴときたもんだ!!(爆笑)。
...あ、ところでLICCAさんは「ジャッカル」はご覧になりました?。ブルースが珍しく悪役をやってるやつで、共演者のリチャード・ギアがこれまた珍しくタフガイを演じている作品です。もし未見ならお薦めします。売れる前のジャック・ブラックとか出てますよ。因みに、「ジャッカル」でのブルースの声は磯部勉さんです。
こうして見ると、未だブルースの声はこの人!..っていうのは決まってないですね。
...って、また長くなってしまった...orz
すみません...
by 堀越ヨッシー (2006-11-08 16:11) 

Catcat44

ははっ(笑)
いいんですよぉ。吹替えネタは、入れ食いでしょうから(笑)
「シン・シティ」も同じ方ですかぁ。映画館で字幕しか見ていないので。このブルース・ウィリスも、カッコ良かったですよね。
あまりよくは覚えてないのですが、昔TVで見た「ラスト・ボーイスカウト」の声は、どなただったのでしょうかね。このDVD、つい先日、レンタルで見直ししたのですが(感想書いてません!)、吹替えまでは見なくて・・・ちょっと残念。
かつての食いしん坊は、言語道断!(キッパリ!)
TV朝日の「ダイ・ハード」、もしかしたら見ているかもしれないですけど、さっぱり覚えてないです。これまた残念。あ、でも、「ダイ・ハード4」が日本公開決まったら、放映あるかもしれないですね。覚えとこ。
「ジャッカル」は、何度も手に取っているのに、未だにレンタルしてません。
多分、ヒーローなブルースを見たくてあさっていたから、避けていたのかもしれないですね。
次あたり、いってみようかしらん・・・
「バンデッツ」も、次あたり・・・
by Catcat44 (2006-11-08 17:02) 

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