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You can't stop the beat! 【ヘアスプレー】 [映画日記<2007年>]

「ヘアスプレー」を見たよ!

60年代。アメリカ、ボルチモア。
高校生のトレーシー(ニッキー・ブロンスキー)は、親友のベニー(アマンダ・バインズ)と、ダンス番組である「コーニー・コリンズ・ショー」を見るのが大好きな、かなり太めな女の子。
レギュラー出演をしている同級生のリンク(ザック・エフロン)と一緒に踊る事を夢み、母エドナ(ジョン・トラボルタ)の反対を、父ウィルバー(クリストファー・ウォーケン)の協力で押し切り、ついにオーディションに参加する。
ところが、番組を仕切るベルマ(ミッシェル・ファイファー)によって、太っている事を理由に、早々と追い返されてしまう。
しかし、ひょんな事から番組ホストのコーニー(ジェームズ・マーズデン)に気に入られ、レギュラー出演できるようになるトレーシー。
娘を番組ナンバー1にしたいベルマは、当然面白くない。
トレーシーを追い出そうと、あの手この手。
まだ、人種差別が色濃く残るこの時代。黒人が出演できるのは、週に一度の“ブラック・デイ”。
ところが、ベルマはその“ブラック・デイ”も廃止してしまう。
ダンスを通じて仲良くなった黒人のシーウィード(イラシジャ・ケリー)や、“ブラック・デイ”ホストのメイベル(クイーン・ラティファ)と共に、差別をなくすデモに参加した事から、トレーシーは警察に追われる身となってしまう。
折りしも、「コーニー・コリンズ・ショー」では、ミス・ヘアスプレーを決める、投票日。
トレーシーは仲間の協力で、無事「コーニー・コリンズ・ショー」にもぐりこめるのだろうか。
そして、見事ミス・ヘアスプレーに輝くのは、誰か!

元々、ブロードウェーのミュージカル。
そして、主人公トレーシーには新人を。
母エドナには、男性が女装で。
これがお約束、との事。

トレーシーの歌から始まるオープニング。
トレーシーを演じるニッキー・ブロンスキーの第一声を聞いた途端、鳥肌立ちそうになった。
この子の声、すごくいい!
高くなく低くなく、すごくよく通る声質。
見た目はおデブちゃんなのに、なぜかキュート。
可愛さがイヤミに感じないの。
少々ムリな自己主張も、鼻につかない。
この子がオーディションで選ばれた理由が分かる気がする。
すぐにこのミュージカルの魅力に、すっかり飲み込まれちゃった。

ストーリーは、ドタバタ、ミラクルハッピー。
トレーシーが、その他出演者全員が、踊り歌い、また踊る。
そんなちょーちょーハッピーストーリーだから、できすぎな展開も気にしない気にしない。
トレーシーがどんどんハッピーになっていくのを、ニコニコしながら見ていれば良し。
「コーニー・コリンズ・ショー」でのレギュラー出演を皮切りに、
リンクとはラブラブ、
黒人の友達は次々増えてゆき、
Lサイズ服のマスコット・ガールに抜擢され、
ちょーおデブのママは、ついに引きこもりから家の外へ出る。
ある意味、完全懲悪だから、安心して見ていられるよ。

トレーシーもおデブなのだけど、
ママのエドナのおデブ具合いが、また素晴しい。
顔のパーツはジョン・トラボルタなのに、動きは女性そのもの。
しかもちょーおデブだから、動きがころころしてる。
トレーシーのころころ具合いもいいけど、
エドナのころころ具合いを見てしまうと、トレーシーもまだまだだな、なんて思ったり。

ミニ・スカートを揺らして、歌い踊るエドナが、しまいにはキュートに見えてくるから、すごいよね。
ジョン・トラボルタ、恐るべしだよ。

実はこの作品、人種差別の問題を扱っていて、黒人に対する差別を、真正面から糾弾しているの。
こんなに社会派な主張をしている作品だなんて、知らなかったわ。
トレーシーは白人だけど、
そのトレーシーが黒人の味方になって、一緒にデモにまで参加しちゃう。
当時の感覚から見れば、白人が黒人と仲良くするって、ほとんど考えられなかったのかな。
白人は黒人を拒むけど、黒人は白人を迎え入れる。
作品の演出かもしけないけど、でも、もしかしたら、リアルにそうなのかも。
と、思わされてしまうあたり、上手いなぁ。

また黒人の出演者の動きが素晴しいんだ。
ザック・エフロンが霞むくらい。
身体を動かす、特別なDNAを、黒人達は持っているとしか思えない。
そのくらい、身体のキレが半端ない。
本当に、映画館の座席に座っているのが、もどかしくなったよ。
できれば私も一緒に踊りたい。
そう思えるだけのパワーがあった。
ついつい、曲に合わせて口ずさみたくなり、すっかりハマってるよね。
作品の意図にさ。

ラスト、
「コーニー・コリンズ・ショー」の“ミス・ヘアスプレー”コンデスト。
この栄冠に輝いたのが、驚くことに・・・
誰だったか、というオチは、秘密にしておきましょう。
私にしては、珍しいけど、でも結構驚くよ。
って言うと、トレーシーじゃないって事がバレちゃうね。
意外な人物でした。
映画見て、驚いて。

ちなみに、コーニーを演じているのは、「X-MEN」の浮かばれないリーダー、サイクロップスを演じたジェームズ・マーズデン。
彼は「君に読む物語」では、フラれ役で、
「スーパーマン・リターンズ」では、ロイスになかなか結婚させてもらえず、
子供も彼の子じゃないと・・・
この作品では、めっちゃ笑顔で、素晴しい歌唱力を披露してます。
歌唱力と言えば、米ドラマ「アリー・myラブ」のシーズン5で、実証済み。

家族愛あり、友情あり、差別反対あり。
もりだくさんの内容を、圧倒的なパワーで歌いきっちゃうから、テンションずーっと高いよ。
でも、見ているこちらも元気になれる。
太っていたって関係ない。
さぁ、みんなも一緒に歌って踊ろうよ!
そう言われているのだよ。
最初っから最後までね。
小難しい事考えて見るもんじゃない。
ただ、感じたままでいいんじゃいかな。
そういう類の作品だと思うよ。
だから、あまり解説がないな。
主張も分かりやすいし、至極全うな主張だから、裏もない。
とにかく、歌とダンスを楽しめばいいのよ。
出演者達も、ものすごく楽しそうでさ。
ミュージカル映画って、「ムーラン・ルージュ」しか見た事なかったけど、
こういうのいいね。
お薦めよ。
ミュージカルは好き嫌い分かれるんじゃないかと思うのだけど、すごく楽しかったよ。
細かく言えば、評論家たちからは何かしら出てくるのだろうけど、
私は言う事なし。
楽しい。
帰り道、ついつい、
「Good Morning Baltimore~」
「You can't stop the beat!」
なんて鼻歌歌いながら、帰っちゃった。
楽しい~。


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うつぼ

こんばんは!
ご覧になったんですね。私も見ようとおもいつつ未だ見ておりません。。
元々はカルト俳優(女優?)のディヴァイン主演映画でウォーっと思っていたのが5年前くらいにブロードウェイミュージカルになったら毒気が抜けて(といってもエドナ役のハーヴェイ・ファイヤスティーンは怪演でした)こりゃすごいと思っていたところの再映画化。トラヴォルタがどうしても引っ掛かってしまうので足を運んでいないのですが。クリストファー・ウォーケンも好きなのですがこの役に合っているのか、、つい舞台版と比較してしまい。。。とはいえ、トレーシーは何回観てもウルルです。。。だから早いとこ私も行こうと思います。。。
by うつぼ (2007-11-02 21:37) 

Catcat44

うつぼさん、こんばんわ!
今週はいいペースで映画が見られて、幸福です。
私の場合、ブロードウェイ版も知らず、この映画版以外を知らないという条件で見れたので、ある意味幸福だったのかもしれませんね。
トレーシーはともかく、ジョン・トラボルタのエドナを楽しむ事ができたので、良かったと思ってます。クリストファー・ウォーケンもいい味出していましたよ。チューしてましたし(笑)
有楽町のレディース・ディに行ってしまい、前から2列目というのだけが不満でしたが(苦笑)
by Catcat44 (2007-11-02 22:15) 

これ、見たいです~。ストレスたまっているときは、次から次へ楽しいのがいいですよね。(年中ストレスたまりがちなので、どよーんと暗いのは最近見てません。)
ああ、今週、レディースデイの他に11月1日の1000円デーもあったのに、見逃してしまってショックです・・・
by (2007-11-02 22:52) 

Catcat44

bonheurさん、こんばんわ!
この作品、とにかく明るくて楽しいですよ~。微妙に鬱な時には、サイコーな1本です。
今週は、日曜、水曜、レンタルに、映画館にと、4~5本見れているので、嬉しいです。そういうの久しぶり~。
この作品見ると、一緒に歌いたくなりますよ。是非、見に行って下さいね~。
by Catcat44 (2007-11-02 23:50) 

non_0101

こんばんは。
本当にHAPPYになれる作品でしたね~!
トレイシーの魅力に出だしからノックアウトでした☆
もう一度観たい~と思ったのは久々です。
終わる前にもう一度観に行きたいな(^^)
by non_0101 (2007-11-05 23:12) 

Catcat44

nonさん、こんばんわ!
nonさんの記事にコメントしようとしたら、ずいぶん流れてしまっていて、できずじまいでスミマセン・・・
この作品、本当にハッピーになれました。しょっぱなから、すっかりトレーシーの魅力にヤラれてしまいました。もう一度見たいと思うnonさんの気持ち、よーく分かります。そういう作品、なかなかないですよね。貴重な1本です!
by Catcat44 (2007-11-05 23:51) 

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