農閑期再び 【デクスター】 [海外ドラマ日記]
で、今年の農閑期に一気見。
なかなかのハマり度となったのが、「デクスター」。
ひとまず、TSUTAYAの特設ページです。
http://www.tsutaya.co.jp/movie/sp/dexter/index.html
36分にも及ぶシーズン1のダイジェストは見がいがあるよ。
ものものしいナレーションはやりすぎかもだけど。
ただ、PG-15の映像は流せないから、さりげなくカットしてあるけどね。
アメリカでは、地上派ではなく、有料チャンネルとなってるケーブルでの放送。
TVでのオンエア時は特に規制はなかったようだけど、DVD化した時には、PG-15の規制がかかったドラマです。
なぜPG-15なのかと言うと・・・
主人公は、タイトルと同じ、デクスター・モーガン(マイケル・C・ホール)。
マイアミ署の血液専門の鑑識官。
それは表の偽りの顔で、彼の正体は、殺人への欲求が抑えられないシリアル・キラー。
なので、毎回のようにある殺害シーン、死体を解体するシーン、なんかがかなりリアルで、それが原因で年齢制限がついちゃったみたい。
それにね、夫婦や恋人同士のSEXシーンもなかなかのもの。
ケーブルだとこんな事ができるのね。
面白い、と思うのは、この主人公デクスターの二面性。
彼の本性はあくまでシリアル・キラー。
殺したいの。
でもただ殺していたのでは、すぐに警察に見つかり御用となってしまうのだけど、そうならないのがミソ。
デクスターが殺人衝動にかられるのは、デクスターの幼い日の出来事がからんでいるのだけど、それを言ってしまうとネタバレで面白くないので、割愛。
で、3歳で孤児となったデクスターを養子にして育てたのが、父ハリー。
このハリーが立派というか、親バカというか、デクスターが決して逮捕されずに、殺人を犯せるように、教育した人物。
ハリーはデクスターが幼い頃より殺人衝動を持っているのを見抜き、徹底的に彼を教育した。
感情を持たない彼に、感情を持った人間を装う必要性を説き、
殺す相手は、法を逃れた極悪人でなければならないし、その証拠集めは警察より徹底的にしなければ、殺してはならない。
さらには、ハリーは警察官だった経験を活かし、証拠を消す方法までデクスターに仕込んだ。
もう至れり尽くせり。
で、デクスターは、立派なシリアルキラーになれたって訳。
このね、法を逃れた極悪人をさくさくと殺していくデクスターが、ちょっと仕事人みたいで親近感があって楽しいね。
日本にはこの手の法で裁けない悪を闇に紛れて裁く、なんてドラマが結構たくさんあるでしょう。
だから違和感がなくって、のめり込めるんだと思うんだな。
毎シーズンごと、デクスターの正体がバレて、逮捕されちゃうんじゃないか、というハラハラドキドキも楽しいよ。
逮捕されたら死刑か、一生塀の中か病院か、でしょうし・・・。
デクスターを演じているマイケル・C・ホールが、なんというか、イケメンではないのだけど、たまに冷たい目をして、口元だけニッと笑ったような表情をするのよ。
それがシリアルキラーらしくて、ドキッとする。
それと、この作品には原作があって、その原作通りなのだけど、表の顔では、善良で有能な鑑識官である為、その本性とのギャップを、心の声として入るナレーションに、思わずぷっと吹いてしまう。
常に一人称で語られるドラマってのも、結構珍しいよね。
それと、舞台がマイアミという事で、そのロケーションもなかなか素晴しいよ。
何より画面から暑さが伝わってくる。
登場人物は、汗をかいているし、衣装も汗でびっしょり。
そして、スペイン語と、キューバ系やハイチ系、ラテン系の人物が多い事。
土地柄かガラ悪い人物も多いねぇ。
犯罪も多いんだろうし、なんたって「マイアミ・バイス」の土地だから。
海を渡ればすぐにキューバやカリブ海が待っているし。
なんというか、警察内部も、なんだか穏やかな感じがするんだなぁ。
しかも、朝食や昼食、定時以降のプライベートタイムに、登場人物たちはよく集う。
ほんの1時間程度の時間に、誰かと落ち合うんだよね。
めんどくさい、とか思ってしまいそうなのだけど、結構マメに登場人物たちは行動しているんだわ。
なんか難解な事件とか抱えると、仕事に没頭、生真面目にせこせこと働くのは日本人だけなんかなぁ。
このマイアミでは、みんなオープンでわいわいがやがややってる感じがする。
一つ、よくイラッとさせられたのは、お国柄というか民族柄なのでしょうけど、ハッキリ物を言う人物ばかりで、当然言い争いも多いし、感情をぶつけ合うシーンも多い。
当然、セリフも多くなる。
特に女性が、気が強くて、言いたい事言って、感情丸出しで、そのくせしたたかに騙しあいをしていたり、身体を武器にしたり、下の本能に従って動く人物が多い。
実に多い。
だからドロドロしてる。
脚本書いているのは、男性女性どちらなんだろう。
脚本家は多数いるだろうから、いろいろなんだろうけどね。
とにかくそういう女性に、イラッとさせられる事が意外と多い。
すぐ寝るから、バカな女・・・って何度呟いたか。
余計、あまり感情を出さない、というか出せる感情がないだけなんだけど、おだやかなデクスターが希少価値なのかも。
実際、デクスターの義妹のデボラは、火山みたいなキャラクターだよ。
全くの余談ではあるけど、デクスターの恋人役リタを演じているジュリー・ベンツさんは、「SUPERNATURAL」のシーズン1EP12「Faith」で、レイラを演じていた方。
1シーズン12話と、普通のドラマの半分くらいだけど、レンタルはシーズン3まで出ていて、計36話。
私、2週間で一気見しちゃったんだわ。
もう少しで、シーズン4もお目見えするんじゃないかな。
アメリカでは、次はシーズン5が撮影される模様。
36話だから、興味がある方は是非見て下さいね。
吹き替えもなかなかいけるよ。
あまりに面白かったので、農閑期が余りすぎてどうしようっかなぁ・・・。
君も見てみたいか? 【デッド・ゾーン】 [海外ドラマ日記]
新たにもう一つ、「SUPERNATURAL」の農閑期に、アメリカのドラマ見ちゃったので、ご紹介!
「デッド・ゾーン」
ジョニー(ジョン)・スミス(アンソニー・マイケル・ホール)はメイン州の小さな町の、高校の教師。
幼馴染で婚約者のサラ(ニコール・デ・ボア)と将来を語り合う毎日。
幸福絶頂のジョンは、ある日、交通事故を起こす。
脳に甚大な損傷を負ったジョンは、それから長い年月を、昏睡状態で過ごす。
ところが、二度と目覚めないと思われていたジョンは、突然意識を回復する。
実に、6年の月日が流れていた。
その間、サラは町の保安官ウォルト・バナーマン(クリス・ブルーノ)と結婚しており、
ジョンの唯一の肉親だった母ベラは、他界していた。
しかも、ジョンとサラの間に出来た子供は、サラとウォルトの子として育てられており、
さらにジョンには、触ったものから、過去や未来のヴィジョンを見る事ができる能力が備わっていた。
それは、損傷を受けたジョンの脳が、その部分を避けて機能している為、
普段人が使う事のない部分、“デッド・ゾーン”を活動させている為、らしい。
望まざる能力を手に入れたジョン。
ウォルトの担当する事件を手伝ううち、彼もまたヒーローになってゆく。
そんなジョンの運命は、彼にも知りえぬところで、確実に動き出していた・・・
そんな出だしで始まるドラマだよ。
原作は、スティーブン・キングの、同名の小説。
ただし、ドラマの方は、やや原作とは異なるよう。
1983年に、クリストファー・ウォーケン主演、デヴィッド・クローネンバーグ監督で映画化されており、それは原作に忠実らしく、
私はまだ未見なのだけど、
昏睡から目覚めたジョニーが、能力のおかげで見てしまった、核爆弾の悲劇から世界を救う為、とある上院議員を暗殺しようとする、という物語らしい。
ジョニーを演じるのは、今年39歳になるアンソニー・マイケル・ホール。
私は全く知らなかったのだけど、彼は何やら80年代のアイドルだったらしく、
その後は、芸能界をしばらくホサれていて、この「デッド・ゾーン」が、彼の起死回生の1作なんだって。
今はおやじではあるけど、色の薄いブロンドに、薄いブルーの目は、いかにもアイドルっぽいよね。
その甲斐あってか、ドラマの出来はまずまず。
医者ですら、昏睡のまま死ぬと思われていたジョニーが、突然目覚めただけじゃなく、
超自然的な能力を手に入れて、
しかし本人は、唯一の肉親だった母を失い、
幸福の絶頂だった婚約者も、別の男に取られ、
望まざるヒーローにならざるを得なかった一人の男の、苦悩の日々を、丁寧に描いていて、
時に胸にきゅんとくるエピソードなんかもあって、
人間ドラマとしても、楽しめる構成になっているよ。
とにかく、ジョニーとサラとウォルトの関係が、微妙すぎて面白い。
サラは、ジョニーも愛しているが、現実として夫ウォルトを愛しており、
それは二股とかじゃなくって、
当時、昏睡状態のジョニーを抱え、医者にも望みを絶たれ、しかも妊娠までしていたサラの気持ちを考えると、ウォルトと結婚した事も責められず、
どうにもならないジレンマに陥っているジョニーが切なくて、自然に感情移入できるよ。
また、ウォルトがいい人すぎて、ホント誰のせいにもできないあたり、作りが上手いなぁって思っちゃう。
ジョニーの相棒は、理学療法士のブルース・ルイス(ジョン・L・アダムス)、からっとした皮肉が得意な黒人で、
母ベラに心底惚れていた牧師のジーン・パーディ(デイヴィッド・オグデン・スティアーズ)が敵味方微妙な距離感で絡んでいて、
脇役のキャラも充実してるよ。
物語は、1話完結のエピソードに加え、
グレッグ・スティルソン(ショーン・パトリック・フラナリー)が絡んだ、核爆発のハルマゲドンの流れがずっと続いていて、
そのバランスが良い感じになっているよ。
ジョニーが見るヴィジョンの映像も丁寧に作られており、
基本的にヴィジョンの中では、ジョニー自身がヴィジョン内の誰かになった視線で見るので、
毎回、いろんな人に扮するジョニーが、見所。
女性の視線でヴィジョンを見ている時なんて、ジョニーそのままが女装しているので、
シリアスなシーンなのに、思わず笑っちゃったりしてね。
そして、忘れちゃいけない、この作品の優秀なところは、吹き替えが素晴らしい事!
ジョニーもサラもウォルトも、本当にイメージ通りの声が当ててあり、
吹き替えで十分楽しめる出来に、賞賛の拍手を。
字幕に決して引けをとらない吹き替えは、海外ドラマのお手本だよ。
吹き替えキャストも、みな本職の声優さんで、
名の知れた有名人はいなくても、素晴らしい吹き替えはできる、ってサイコーだよねぇ。
どこぞの誰かに、爪の垢を煎じて飲ませたいわ・・・
この作品が、アンソニー・マイケル・ホールの起死回生の1作だと書いたけど、
やはりその分、丁寧に、且つ情熱的に作られているが分かるよ。
ただ、この作品、放送がケーブルなんだ。
地上派で、大手ネットワークと争っているThe CWの「SUPERNATURAL」とは、ちょっと立場が違う。
なんつーか、ちょっとのんびりした雰囲気が、感じられるんだなぁ。
視聴率が落ちれば、即打ち切りが待っている番組作りとは、どこか違うんだ。
お気楽極楽とまではいかないけど、そこまで切羽詰って、キリキリした感じは、見受けられないよ。
「SUPERNATURAL」の崖っぷちとは違うのよ。
その分、気持ちの余裕があるのか、エピソードによって、当たりハズレがあるのは、仕方のない事かな。
アメリカでは、現在シーズン6の放送が始まったよう。
日本でセル&レンタルは、シーズン3まで。
今、スカパーとかで見られるAXNでは、シーズン4が放送開始したよ。
ただ、1シーズンが12話程度と短いので、一気に見れるという利点もあるな。
どうも、結末は原作とは違うようなので、楽しみにしていようと思う。
そのうち、映画版も見てみようかな。
ジョニーを演じているアンソニー・マイケル・ホールが、
切ないジョニーの心情を、たっぷりと演じているので、見ごたえも十分。
中年にさしかかる男の、哀愁漂う背中が、ステキなんだなぁ。
という訳で、農閑期に、「デッド・ゾーン」楽しんでます。
この“デッド・ゾーン”て、日本でいうところの、「ナイト・ヘッド」の事だよね。
あれも普段使わない部分の脳が使われているって設定だった。
直人、直也の兄弟は、単にサイキックとしての苦悩であって、
周りの人を助けたりとか、事件を解決したりとかには、決して利用してなかったけどね。
さらっと見るには、ちょうどいいドラマだと思うよ。
こんなSFちっくな設定が好きな方は、是非、見てみて下さいな。