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マトリックスの元ネタ 【GHOST IN THE SHELL~攻殻機動隊~】 [映画日記<2006年>]

「GHOST IN THE SHELL~攻殻機動隊~」をレンタル&視聴。

95年のアニメーション映画。
原作は士郎正宗のマンガ。監督は押井守。
日本でも注目されてたけど、どちらかというと、海外での評価が高かった記憶があるな。
実は、キアヌ特集の一環で、「マトリックス3部作」を続けて見たんだけど(感想はそのうちね。)、その監督のウォシャウスキー兄弟が、映画の内容をなかなか理解できないスタッフ達に、自分達はこういう映画が作りたいんだ、と説明の為に見せたのが、この「GHOST IN THE SHELL~攻殻機動隊~」らしい。
なら、一度見ておくか、てな訳で、見たんだ。
ちなみに、「マトリックス」で有名な緑の数字がたくさん流れる映像とそのオープニング・クレジットは、「GHOST IN THE SHELL~攻殻機動隊~」と同じ。
つまり「マトリックス」がパクった訳(笑)
本家は数字のみだったけど、「マトリックス」は数字とカタカナだったね。

主人公の女性、草薙素子は、公安9課の警官。
脳は本物だが、身体は全て、擬体と呼ばれる機械で作れられている。
ネット世界がとめどなく広がった、超情報化された近未来。
人は首の後ろのデバイスから、脳へ直接情報を送ったり、通信したり、機械を操ったりできた。
素子も含め、公安9課のメンバーは、ほとんどが身体を機械化して強化しており、たとえ生身の身体であっても、脳への直接のアクセスは可能な状態にしてあった。
そんな折、人形使いと呼ばれるハッカーが出没する。
そのハッカーは、人の脳にあるゴースト(ここでのゴーストとは、生身の脳の補助をする人工脳のようなものなのかな。)をハッキングし、自由に操り、情報を得ていた。
公安9課はその人形使いの確保または破壊を命じられる。
だが、外事6課も、その人形使いの確保にやっきになっており、9課は人形使いと、6課の行動に、疑惑を抱くようになる。

でも、そんな事件を追うストーリーが本筋じゃないんだな。
その事件を追いながら、この映画の筋は、素子の感情にあると思うんだ。
生身はもう脳しかないサイボーグ達。
自分というものを証明できるのは、唯一、親や兄弟や子供の頃の記憶だけ。
そこへ生身の脳すら持たない、プログラムだけの存在であるハッカー、通称人形使いが現れ、素子は自分というものの曖昧さに、漠然とした不安を抱いてしまったのでしょうね。
この人形使いという自我を持ったプログラムの出現が、実は外事6課のした事が原因になっており、その為、6課は必死になっていた訳なのだけど。
素子と人形使い。
二人が顔を合わせると、事態は動く。
人形使いが、素子との融合を望んだのだ。
二人の話が続く中、6課の攻撃で、人形使いは破壊され、素子もまた、破壊されたかに思えたが、実は素子の頭部は、彼女の同僚の手によって、密かに持ちさられ、彼女は生還する。
今度は公安の警官でもなく、ただの一人の人として・・・

最近のマンガやアニメは、子供が見ても理解できるとは思えないほど、設定やテーマが難しいものが多いよね。
それだけ大人が夢中になってるんだろうけど。
この映画が95年に製作されてたのには、ちょっと驚いた。
11年も前に、すでにこれだけの設定が考え出されてたなんて、なんかすごいやね。
私の生粋の日本人だから、物心ついた頃には、すでに日本のマンガやアニメは、普通に見れていた訳だから、外国人達が、こぞってジャパニメーションのすごさを評価してくれてるけど、その特徴ってものが、よく分からないのが残念といえば残念だね。
どの感じが日本らしいのか、見分けられないもん。
それと、この映画の特徴でもある、脳に直接アクセスできるデバイスや、生身の脳や、機械の脳、サイボーグなんて設定は、実はこの映画だけじゃないんだ。
実は94年に1巻が発売されてる、華不魅さんという漫画家の作品「グラマラス・ゴシップ」も、これとほとんど同じ設定がされているんだよね。
「攻殻機動隊」と「グラマラス・ゴシップ」
原作のマンガとして、どっちが先だったのかなんて分かんないけど、とにかく同時期に同じような設定が考えだされてたなんて、日本人の発想も、捨てたもんじゃないって事だよ。
ちなみに、キアヌ・リーヴス主演の「JM」も、後頭部に脳に直結できるデバイスを持っていたよね。
これは96年の作品。
ちなみに脳ネタだと、78年公開の初映画化された、「ルパン3世 ルパンvs複製人間」も、ラストのオチが脳だった。
敵役のマモーは、もう脳のみの存在だったってオチだ。
それにまだ当時言葉がなかったからだけど、複製人間とは、今で言うクローンの事。
日本人の発想は、すごいのかもしれないね。

「GHOST IN THE SHELL~攻殻機動隊~」見終わって、海外の評価ほど、私の中の評価は、飛びぬけて良い訳ではなかったけど、難解な設定や、作りこまれた世界観は、マニアックな人間のマニア心をつついてくる作品だと思うよ。
素子よりビトーの方がカッコよく感じたから、「ノイセンス」も借りて見ようと思った次第。
海外評価が高いアニメ監督。
たとえば、押井守、大友克洋、宮崎駿、私あまり作品見ていない事に気づいたよ。
でもジャパニメーション、侮れないな。こりゃ。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊


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Akasha

はじめまして。攻殻機動隊のレビューを探していてたどり着きました。
面白いというような評価をしてもらえてファンのひとりとしてとても嬉しいです!

もうご存知かもしれませんが、むずむずしたので書いちゃいます。
「攻殻機動隊」の原作は漫画で、連載は1989年から始まりました。
「JM」の原作は「記憶屋ジョニイ」という小説で、私の記憶が正しければ1986年前後に書かれたと思います。
3作品だとルパン三世が一番古いってことになりますね!

SFの黎明期から「ロボットは人格を持つか?」「人間とロボットの違いは?」というテーマは取り上げられてきました。
それが年々科学の進歩によって、「体は将来機械に取り換えられるかも。でも心は?感情は?脳みそがあれば人間?」といった思考にシフトしはじめたのかも?

もしまだ攻殻機動隊に興味をお持ちで、機会があれば、是非TVシリーズ版を観てみて下さい。
SACとGIGという2シリーズありますが、ネットワークに興味があるならSACを、戦争情勢に興味があるならGIGをお勧めします^^
イノセンスはバトーが可哀そうで、あまりお勧めしません・・・。

マニアックな話ばかりになってしまいましたが、嬉しくてつい描き込んでしまいました。
これから自分も観た映画(「インセプション」とか)のレビューを拝見させていただきます。

お尋ねしたいのですが、レビューに点数(★5つ、とか)をつけていないのはポリシーですか?
私は文章の最初に点数が付いていた方が読みだしやすいと思って聞いてみました。
by Akasha (2011-03-30 19:27) 

LICCA

Akashaさん、はじめまして!
コメント、ありがとうございます。過去記事に反応して頂けるのはまた格別です。恥ずかしいですが(笑)

私はキアヌが好きで、「マトリックス」からの「攻殻機動隊」なので、ちょっと動機が不純で、大ファンの方には少々申し訳ない気持ちになるのですが、でもこういう作品に海外の方が影響を受けて、大ヒット映画なんかが生まれるのは、とても嬉しいと感じます。

そうですか。やはりルパンの映画か最初なのですね。モンキーパンチさんがすごいのか、映画制作に携わった方がすごいのか。
ちなみにこのルパンのオチは、映画「スカイキャプテン」が同じでした。
「JM」は映画はまぁアレでしたが(北野武が出てましたよね?確か)、これも原作があったのですか。
残念ながら「攻殻機動隊」の原作の方は読んでおりません。
「イノセント」はあの後見たはず。
なかなかマンガは読む機会が減ってしまいましたが、記憶にメモしておきます。

「インセプション」は久々に面白い映画でした。

映画のレビューについてですが、ポリシーまでではないのですが、「感想」を書く、というのをモットーにしています。
なので、評価ではないのです。
自分の中に「3K」というのがあって、「解説」「解釈」「感想」の3本柱がありまして、「解説」はエラそうな事は書けないのであらすじは必ず自分の言葉で書いています。コピペはしません。
「解釈」はそのまま、こういう事が言いたかったんじゃないかって事を自分なりにまとめます。
「感想」は言葉の通り、面白かった、とか、たいしたことなかった、とか、子供のような言葉でもいいので、書いています。
ま、映画を見た後の、友人たちとあーでもないこーでもないというのを、ブログ上でやりたかったので。
そんな感じです。

こんな感じでよければ、他の記事も読んでみて下さいね。
震災以降、映画を見れていないので、是非、行かねば!

by LICCA (2011-04-02 15:09) 

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