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イメージにないキャラクター 【ジャッカル】 [映画日記<2006年>]

「ジャッカル」をレンタル&視聴。

あんまり良くないレビューが多い気がするこの作品だけど、
見たらなんて事ない、結構楽しかったよ。
めずらしく冷酷な悪役に徹しているブルース・ウィリスも好演。

ロシアのチェチェン・マフィアのボスは、ロシア当局とFBIに殺された弟の復讐の為に、ジャッカル(ブルース・ウィリス)と呼ばれる、正体不明で凄腕の殺し屋を雇う。
一方、その動きを察したロシア当局&FBIは、ジャッカル逮捕、暗殺阻止の為、元IRAで現在服役中のテロリスト、デクラン・マルクイーン(リチャード・ギア)に取引を持ちかける。
ジャッカルの顔を知る者は少なく、同じIRAで現在引退して隠遁生活を送るイザベラという女性と、そしてデクランも、ジャッカルの素顔を知る一人だった。
待遇の良い刑務所への移動、イザベラの身の安全、それを条件に、FBIはデクランをジャッカル逮捕に駆り出す。
過去の個人的な恨みもからみ、ジャッカルとデクランの攻防は、静かに始まる。
果たしてデクランは、ジャッカルのターゲットを暴き、暗殺を阻止できるのか・・・

まず、ジャッカルという殺し屋の存在が、面白い。
正体不明で、神出鬼没、暗殺の腕はピカイチで、未だにその正体を知る者は少ない。
変装の名人で、偽造パスポートで、国家間も軽々行ったり来たり。
用意周到で、その上、とてつもなく冷酷。
頭も使うし、身体も使う。
これ、ちょっとカッコイイよ。ムダのない計画が、淡々と実行されてて、手際の良さに、う~んとうなっちゃうから。
ただ、派手な殺しもするし、以外と証拠なんかも残したままで、何で今まで捕まらなかったのか、ツッコミ入れたい部分はあるけどね。

一方、FBIが最後の手段のように連れ出してきたのが、元IRAのデクラン。
要人暗殺やら、テロ行為なんかで、8年前から服役中。50年の刑だったかな?
連れ出せちゃうあたり、ちょっとムリヤリっぽいのだけど、デクランのキャラが、なかなかのGood Guyなので、次第に感情移入できちゃうから、まぁいいのかな。
IRAのテロリストといっても、祖国を大事にするあまりの行為というか、熱い愛国心の塊みたいなキャラで、高感度が高いのよね。
半分白髪を、思いっきり短髪にして、鍛えた身体がまぶしい感じの、リチャード・ギアは珍しいのかな。
この人に、手錠姿は似合わないと思った。似合う人ってもの変だけどさ。

ジャッカルのと言うか、演じるブルース・ウィリスの変装が、見ごたえあったよ。
何パターンかあるのだけど、肥えた下っ腹に、額の汗をふきふき、メガネの陽気なおっちゃんとか、必要に迫られてなのだけど、ゲイになってゲイバーに行ったり、そのゲイに化けた時のブルース・ウィリスは、かなりそれっぽくて、笑っちゃったよ。
それに、ヨットレースの時はヨット好きな海が似合うナイスガイっぽいし、短髪をプラチナブロンドに染めた時は、一層冷酷さが増して見えたよ。
ビジネススーツもアロハシャツっぽいのも、謎の中国人も、みんなそれっぽくて、この変装だけでも、結構楽しいよ。
いつもはヒーローを演じる事が多いブルース・ウィリスだけど、冷酷な殺し屋って役も、たまにはいいね。
デクランの姿を発見して、ちろっと微笑んで見せたり、
表情一つ変えず、撃ち殺すシーンなんか、なんかイイかもって思っちゃうよ。

ブルース・ウィリスの殺し屋ってのは、それほど悪くないのだけど、
リチャード・ギアが演じるデクランはね、ちょっとイメージに合わないかなぁとね。
あまり彼の出演作を見た事がないから、上手く比べられないのだけど、
タフガイを演じるのはいいのだけど、彼に犯罪者ってのが、イメージないからなのかな。
IRAそのものに、女子供関係なく、何でもかんでもテロで爆破してしまうってイメージがあるからかもしれない。
デクランはセリフで、爆弾テロはしないって言っていたけどね。
物腰が柔らかいイメージなんだよね。だからかなぁ・・・
いまいちしっくりこないものが残っちゃったね。

実を言うと、一番印象が強かった登場人物は、主役の二人より、
ロシア当局の、しかも女性であるコスロヴァ少佐(ダイアン・ヴェノーラ)だったのよね。
ロシア国内では、チェチェン・マフィアとの戦いで、顔に傷を負っていて、女を捨てた、真面目でお堅い軍人かと思えば、デクランに少しずつ女性としての魅力を引き出されていく感じが、何とも言えなかった。
最初、デクランにファーストネームを聞かれても答えないのに、後になって、ぼそっと教えるシーンなんか、思わずニヤッとしちゃった。
なので、彼女が途中で、ジャッカルに殺されちゃったのは、すごく残念だったわ。

ラストは、気になっていたのよね。
デクランの協力で、ジャッカルを逮捕できたとして、それじゃその後、デクランはどうなるの・・・ってね。
刑務所に戻すのがスジなのだろうけど、デクランのナイスガイぶりが分かると、戻して欲しくないなぁって思い始めていたし、コスロヴァ少佐とのやりとりとか、FBIの捜査員との信頼関係なんかができてきてたからさ、このまま終わったのじゃ、面白くないんじゃない?ってね。
実際、あそこまで、自由に行かせるとは思わなかったなぁ。
FBIの彼が、どうにか手を回して、どうこうなるのかと思っていたら、そうかぁ、いい場所にコーヒースタンドはあったのだね。
しかも、FBIの彼は、ジャッカルのターゲットだったファーストレディを救ったという事実があるから、万が一、デクランを逃がしてしまうって失態を演じても、解雇だけは、ないって分かっていたのだもんね。
ニクイねぇ~。
こういう演出、嫌いじゃないなぁ。
男同士の、静かなる友情みたいのって、いいよね。

派手なドンパチがそうそうある訳じゃなく、どちらかというと、頭脳戦が本筋かな。
あくまで一歩先を行くジャッカルと、それを追うデクラン。
二人が直接対決をするのは、本当に最後だけ。
だから、二人のアクションを期待するのは、間近いだね。
でも二人の、追いつ追われつは、なかなか引き込まれるものがあったよ。
死なない男ブルース・ウィリスの、死に姿が見れるってのも、レアでいいね。
評価は人それぞれだろうけど、私は楽しかったよ。
ブルース・ウィリスもリチャード・ギアも、あまりイメージにないキャラを演じているのが見れるから、特にファンの方なら、一見の価値はあるのじゃないかな。

ジャッカル デラックス版

ジャッカル デラックス版

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/06/25
  • メディア: DVD


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コメント 4

堀越ヨッシー

「ジャッカル」、楽しまれたみたいですね。
何故だか世間での評価が今イチ芳しくない今作ですが、オイラは結構好きな作品です。LICCAさんも仰ってたようにツッコミどころは満載ですけどね(苦笑)。
ブルース・ウィリスの七変化が見られるのも楽しみのひとつですね。ゲイになりきってる時の彼の流し目がなんとも色っぽくてステキ♪。でもその後で焼きそば(?)を食いながら、用済みの人間を殺すシーンがクールでかっこいいんですよね。
一応リメイク作品と謳いながら、ふたを開けると全然そんな事のなかった今作ですが(苦笑)、まあ、娯楽作品として見たらそれなりに楽しめる映画だったと思いますね。
by 堀越ヨッシー (2006-11-20 11:49) 

Catcat44

こんばんわ! いつもありがとうございます。
巷の評価より、私も楽しめましたよ。
何より、ブルース・ウィリスの七変化が楽しい!
ゲイのつもりでキスまでした時には、ひゃ~って部屋でうなりましたよ(笑)
ステキ♪って・・・ヨッシーさん・・・???(含笑)
若き日のジャック・ブラックも、冷静に吹っ飛ばしてましたね、彼は。
そう、リメイクなのですよね。これって。でも、全然違うって・・・
でも、最後までちゃんと楽しめたので、OKですって。
by Catcat44 (2006-11-20 22:58) 

堀越ヨッシー

...あ、念のために言っときますけど、オイラは“そっち”の世界には興味はないですからね!。
by 堀越ヨッシー (2006-11-21 14:04) 

Catcat44

ははっ(笑)
心配なさらずとも、分かってますって!
by Catcat44 (2006-11-21 15:48) 

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