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男が匂い立つ 【300】 [映画日記<2007年>]

「300」を見たよ!

紀元前・・・
ギリシアの小国スパルタは、自らを神王と名乗るクセルクセス王(ロドリゴ・サントロ)率いる、ペルシア帝国軍の脅威に晒されてた。
“死”か“服従”か。
選択を迫るペルシアの使者を、自国と自由を守る為、スパルタのレオニダス王(ジェラルド・バトラー)は、殺してしまう。
その為、出兵、全面戦争は避けられなくなったが、スパルタでは太古の昔より、戦争を行うには、古代の神に仕える神官達の許しがないと行えなかった。
レオニダス王とて、法と神には逆らえない。
神官が伝える、神の御宣託は、NO。
しかし、このままでは、国は滅び、男は殺され、女子供はみな奴隷にされる運命。
神官や議会の承認を得られないレオニダス王は、国軍ではなく、よりすぐりの近衛兵300名を連れ、ペルシア軍を食い止める為、出兵する。
ペルシア軍は100万。
勝ち目のない戦いであったが、しかし、スパルタの兵士たちは、他の国の兵士と、決定的に違う点があった。
それは、兵士たちは生まれた時より、兵士になる為だけに、鍛え育てられていたのだ。
奴隷や徴収された俄か兵士とは、根本から違っていた。
レオニダス王と300名の兵士。
彼らは自由を守りきる事が、果たしてできるのか・・・?

先に言っておくと、原作はグラフィック・ノベルズ。
つまり、「シン・シティ」なんかと同じ、いわゆるマンガだっちゅー事だね。
とは言え、現存した国だし、人たちに変わりはないけど。

このスパルタという国は、スパルタ教育の語源となった国だわね。
男は、生まれた時から、戦士になれるかなれないかでより分けられる。
戦う為に鍛えられ、死んだらそれまで。
その独自のルールを、レオニダス王が、戦死として生還し、王になる様を、オープニングで見せてくれる。
その後、ずらっと並んだ300名の兵士を見ると、そりゃそうだわねぇ~、と思わずにいられなくて、ちょっと笑ってしまったよ。
みな、必要以上に筋肉で割れた腹筋を、スパルタの赤いケープから見せて、精悍な顔つき、死を恐れない屈強な男たちが、非常に匂い立つよう。
男臭いという匂いが、本当にしそうだったよ。

グラフィック・ノベルズが原作という事もあるだろうけど、とにかく映像に凝っていたのが、印象的。
映像は終始セピア色。
というよりは、汚れて茶色になった感じとでも言った方が近いかも。
腹筋の割れ具合いも、筋肉の付き具合いも、ちょっとマンガちっく。
もちろん、主演のジェラルド・バトラーも、相当鍛えたのだろうけど、やや現実を通り越した感じがするのも、特徴の一つだね。
なんか時代が時代だから、着ているものも露出度が高いし、男女そうなんだけど、ムキムキにご立派なものが目立って、目のやり場に困るというか、凝視・・・というか。

スパルタの兵士の戦い方も、かなり超人ちっく。
尋常ではない鍛えられ方をして育った訳だから当たり前なのだろうけど、いや~、ホレボレするくらい強い強い。
ばったばったと敵をなぎ倒す、なんて表現がぴったり。
しかも、一人一人が強いだけじゃなくって、連携プレーも得意。
「トロイ」でアキレス率いる精鋭たちが、盾と槍を上手く使って、隊形を組みながら、進んでいくのを思い出したけど、まさにそんな感じ。
自分の持ち場を乱さないし、バラけて戦うのも、固まって組んで戦うのも、お手の物。
そのあたりは、見ていても気持ちいいね。

戦いのシーンの特徴と言えば、スローモーションを多用していた事。
例えば、スパルタの兵士が、敵を切る瞬間は素早いけど、切られた相手から血潮が飛び散る瞬間はスローで、また元の速さに戻るといったように、スピードをコントロールする事で、スパルタの兵士たちの強さが、ものすごく誇張されるんだわ。
ただ、それも、マンガちっくに見える一つの要因。
途中、隊長とその息子が仲良く軽口たたきながら、ペルシア兵と戦うシーンがあるのだけど、それはそれで、まるで時代もののアクションゲームを見ているように思えた。
よくは知らないけど、「戦国無双」みたいっていうのかしらね。

それに加え、クセルクセス王が奴隷に担がせている輿が、これまた尋常でないくらい大きく煌びやかだし、彼自身も、黄金で飾り立てられ、メイクもしていて、ピアスもいっぱい開けていて、あのちょー有名ゲーム「スト2」のダルシムのちょー豪華バージョンかと思った。
それ以外でも、弓矢の雨で、太陽が見えなくなって暗闇になるとか、サイが出てきたり象が出てきたり、ちょっとあり得なさそうな巨体の兵士が出てきたり、両腕が刃物の処刑人が出てきたり、奇形の人も出てくるし、火薬を魔法と言っていたのはさすがに笑ってしまったけど、とにかく、ファンダシーの要素もたっぷり。

映像的には、そんな感じなのだけど、ストーリー展開としては、レオニダス王が、愛する妻子を守る為、国を守る為、自由を守る為、100万VS300という無謀な戦いに身を投じる様子は、名誉ある死を望んでいるとは言え、切ないし悲しい。
しかも、一瞬、もしかしたら勝利できるのかもしれない、なんて思わせぶりな展開になるものだから、余計に切なくなるのかもね。

実際に戦いになるまで、結構長い時間がかかっているのだけど、戦いの途中、夫レオニダス王の決断を信じ、援軍を出してほしいと議会に訴えかける王妃のシーンが挿入される。
女性の立場がそれほど低くないのには驚いたけど、王妃の王を思う気持ち、愛の為にこれまた奔走する王妃の美しく愚かな行動が必要だったのだろうけど、
どうしても、戦いのシーンだけでは単調になりかねない、それに腕や足や首が飛んだり、その切断面をはっきり見せたり、かなりグロい表現が多いから、それらを中和するみたいな役割りがあったように思う。
逆にいうと、中和剤というだけで、戦いのシーンのスピード感や力強さが、そこで一旦落ち着いてしまっていいものか、分からなかったわ。
ずっと戦闘シーンでも良かった気がしないでもない。

ラスト、やはりというか、レオニダス王をもってしても、100万の大群の前にはなすすべもなく、膝を屈する事はなかったけど、名誉ある死を向かえた後、どういうふうに作品を結ぶのか予想できなかった。
途中で、片目を負傷したディリオス(デヴィッド・ウェンハム)を街に帰して、自分たちの戦いを語れ、忘れさせるな、なんて伝言を託していたから、援軍をつれて戻るのかなぁ、なんて甘い予想は裏切られたけど、1年後、スパルタはまだ服従しておらず、レオニダス王と300名の兵士たちは伝説となり、現在の兵士たちの士気を保つ要素になっているのには、なるほどねぇと思ったよ。
スパルタ兵1万。その他味方の兵合わせて3万。
率いるのはディリオスで、兵士たちが目指すのは、レオニダス王。
上手く結べたね。

こういう感じの、ちょっとマニアックな映像を持つ作品は、好みが分かれるのだろうけど、マンガちっくな部分も含めて、なかなか面白かったと思うよ。
デートにはお勧めできないけどね。
リアリティを求めたら、恐らくツッコミだらけになりそうだけど、そういう類の作品じゃないからさ、うおっすげぇ~、って思いながら見ていれば良いと思うな。
戦闘シーンが多い割りに、主人公のレオニダス王をごちゃごちゃした戦闘シーン中に見失う事もなかったし、ジェラルド・バトラーもスコットランド人なのに、なんかギリシアあたりの人に見えたし、良かったんじゃないかな。
もしかしたら、男性の方が楽しめるかもしれないね。
強さに憧れる男性は、是非。


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コメント 4

うつぼ

こんばんは!
オペラ座の怪人が主役なのですね。
あまりこういう歴史ものは得意ではないのですが、
300人で100万人に立ち向かうという物語というだけでも、なんだかそそりますし、マッチョムキムキを観るだけでも楽しそうですね。(笑)
by うつぼ (2007-06-16 19:47) 

Catcat44

うつぼさん、こんばんわ!
はい、怪人の次は、ムキムキマッチョです(笑)
たったの300人が、ばったばったと敵をなぎ倒していくのは、気持ちのいいものですよ。
その度に、血が飛びまくるのですが、マンガちっくな映像のおかけで、そこまでグロくもなく見れるので、女性も案外いけるんじゃないかと思います。
by Catcat44 (2007-06-17 00:39) 

non_0101

こんばんは。迫力の映像でしたね~
どうかなあと思ってましたけど、かなり面白かったです。
> もしかしたら、男性の方が楽しめるかもしれないね。
私の観た映画館は、男性率がかなり高かったです!
戦闘シーンはやっぱりハードですし。
でも、夫婦の強い絆も描いていたからデートもOKかもですよ(^^)
by non_0101 (2007-06-20 01:11) 

Catcat44

nonさん、こんばんわ!
あの王妃の内助の功は素晴らしかったですね。
議会で、あの男をぐさっとやった時には、それ見たか!と内心思いました。
ラストも悲しいけれど悲観的な終わり方じゃなかったから、面白かった~ってなりました。
by Catcat44 (2007-06-20 21:38) 

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