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暇つぶしにどうぞ 【GAMER】 [映画日記<2010年>]

「GAMER」を見たよ!

近未来。
世界はケン・キャッスル(マイケル・C・ホール)が開発した「スレイヤー」というゲームに夢中になっていた。
プレイヤーが操るのは、実際の人間。
脳内に埋め込まれたナノ細胞により、限定区域にいる間だけ、人間を操作できる画期的なゲームだ。
その中でも、戦闘を繰り返し、生き残るのを目的とした「スレイヤー」は格段の人気があった。
現在の人気ナンバー1は、ケーブル(ジェラルド・バトラー)と名の付いた人物。
「スレイヤー」の中で戦闘をするのは、みな死刑囚で、「スレイヤー」で30戦勝てれば、自由の身が保障されていた。
ケーブルは、あと3勝すれば30勝。
晴れて自由の身となれるが、実はケーブルは、無実の罪で死刑判決を受けていた。
ケーブルを操るプレイヤーは、サイモンという名の17歳の少年。
そんな折、ヒューマンと名乗る、ケンの作り出した世界を、ニセモノだ、非人道的だと非難するグループが現れる。
ケーブルは自由の身となって妻と子供に再会する為、サイモンは負け犬になりたくない為、ヒューマンは人類をケンの世界から解放する為、それぞれの目的が絡み合い、ケーブルは確実にケンへの距離をつめていくのだった・・・。

いやー、この作品が、B級、いやC級扱いだったのは、事前に批評を呼んでいたので、知っていたのよ。
それでも見たかったのは、デクスターしか見たことがないマイケル・C・ホールが敵役だっていうから。

先に言っておくと、批評通り、完璧なB級、いやもしかしたらC級映画かもしれないけど、そこは日本映画と違うところよね。
しっかり、なんとなく上手くまとまった感じに仕上がっていたよ。

ジェラルドのアクションも、彼には泥まみれの戦闘が似合う。
なんでこんな映画のオファーを受けたのかは知る由もないけど、キャラクターにあってたと思う。
無実の罪で死刑判決を受け、それでも妻子に会う為に、命をかけて悪と戦うっていうのは、ヒーロー然としていていいじゃない。

マイケルも、またまた変態の役(笑)
いや、ケンはやっぱりキチピーだったけど、頭が良くて、人を支配して見下すのが好きで、敵としてはふてぶてしくて、でも最後はみっともない死に方をしてくれたので、良しなんじゃないかな。

それにしても、こういう近未来の廃退した町、排他的な世界観というのは、どうも似たり寄ったりになるんだね。
それこそ「ブレイド・ランナー」からちっとも変わっていない気がする。
性別を偽って、操る女性にド派手なカッコさせたり、変態ちっくな性行為させたり、パンクっぽかったり、メタルちっくだったり、目新しい見解ってーのはないものかね。
ないんだろうなぁ。

自分でない人を操るってアイディアは、それこそ「アバター」もそうだし「サロゲート」もそうなんだけど、全くの他人を脳に埋め込んだナノ細胞で操れるようになるっていうのは、新しいかな。
他人の意思をのっとるのだから、決して人道的でないし、悪用したらきりがないくらいいろんな事ができちゃう。
それをケン・キャッスルが一人の手で握っているっていうのは、話を大きくしない為にも、これって抑制力だった訳ね。

ツッコミどころはいろいろあったとは思うんだけど、いまいち分りづらかったのは、サイモンがケーブルをプレイヤーとして操る訳だけど、そのコントローラーというか、どうやって操作するのかっていうのが、いまいちごまかされた気がする。
もちろん未来のお話だから、キーボードもマウスも、コントローラーもなくって、空間で動かす手の動きに反応してプレイヤーは動くのよ。
でも、それが、あんだけ激しくて複雑なケーブルの動きにどう連動しているのかってところが、あいまいだった。

世界中で人気のゲームって割りには、それほど突飛な事もなく、まぁ、人が人を殺している残忍で残酷なシーンが見られるってだけね。
しかもたいがいの人はプレイヤーではなく、観客。
3Dのテレビゲームが、生身の人間になった事で、ここまでなるか?と思いたいけど、どうなんだろうかね。

もう少しヒューマンの存在が大きくても良かったと思う。
せっかくの反ケン・キャッスルのヒーロー集団だったのだから、レジスタンスらしかったらいいのに。
ちょっとメンバーが若かったのと、若いのはいいのだけど、ややおフザケしたキャラクターだった為に、とても良い事をしているのが、伝わりづらかった。
最終的にはケーブルの私的復讐物語になるとしても、協力者として、威厳みたいなものがあっても良かったかな。

サイモンも、協力する理由が希薄に感じちゃってもったいなかった。
ネットの世界で負け犬になりたくないっていうのは分かるけど、それだけで簡単にケーブルに協力しすぎ。
ケーブルが死んでしまったら元も子もないけど、なんか正義でもなくていいから、拒否できない、拒否したくない理由付けがあればね。
そういえば、サイモンは結局ヒューマンのメンバーとはネット上で一度話しをしたっきりだったね。

クライマックスで、ケンが自分が操っている戦闘員たちとダンスを始めた時にはどうしようかと思ったけど、ケン・キャッスルは変態だったので、ま、それも演出のひとつと思えば。
でも、爆笑・・・いや、失笑しそうになったわ。

お話をきちんと収める為には、ふろしきを広げすぎない事は大事な事だと思う。
ケンもちょっと中途半端な大物だったし、ゲーム中にケーブルが簡単に逃げすぎとか、でも脱獄に1時間とかかけていられないから、あれはあれでああにしかならなかったんでしょう。

脱獄するのに、車のガソリンの代わりに、ウォッカと尿をタンクに入れたのは、笑った。
アルコールとアンモニアで車は動くの???

殺人を犯したってハメられて死刑囚になったケーブルだけど、ケンはたった一つの殺人を隠す為に、ケーブルをハメたんだよね。
でも、そのケーブルも、ケンの屋敷でいっぱい殺したしなぁ。
殺していいんだか、悪いんだか。

どこかで見たネタだし、世界観だし、ちっとも新しくない、ちょっと考えれば先が読めるというか、こういう近未来SFものを好きで見ている人には、展開が全部読めてしまう内容ではあったけど、そこは百戦錬磨のスタジオが作成しているから、脚本とシーンのスピード感、役者の演技、それと短めの上映時間90分で、上手くまめとたな、と思った。
安っぽい感動だけど、家族の再会には普通にほっこりしてしまった。
あの奥さん、結構いい年しているのに、操られる女優としてお金を稼いでいたから、なんか良かったねぇと思ってしまったわ。

どうしても90分時間が余ったわ、もしくは、ジェラルドのカッコイイ戦闘シーンが見たい、変態ちっくなマイケルが見たい、と思う方は、まぁ、レディースデイにでも見て下さい。
じゃなきゃ、週末に借りるレンタルで、お酒でも飲みながら見て下さい。
その程度だけど、なんか憎めないのはなんでだろうね。


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non_0101

こんばんは。
この作品、予告編でお腹いっぱいな気分になったので、何となくスルーしてしまいそうです。
> その程度だけど、なんか憎めないのはなんでだろうね
それなりに楽しいのかな(^^ゞ
by non_0101 (2010-12-08 21:41) 

LICCA

nonさん、こんばんわ!
それなり(笑)、に楽しいかもしれないですけど、やっぱり予告の通りだと思います(笑)
by LICCA (2010-12-10 23:14) 

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